9. 道志みち
2011年8月
← 8. 御坂峠と笹子峠
10. 江戸サイ →
戻る

自転車を買ったころから気になっていた道志みち。ネットには自転車で走破したレポートやブログがあふれている。どうやら関東の自転車乗りを惹きつける道のようだ。その道のりはとにかく長く、麓から峠まで50 km以上のだらだらした上り坂である。しかしその長さも今ならちょうどよく思える。不完全燃焼に終わった前回の鬱憤を晴らすべく、史上最長コースに挑む。


今日のスタートは第6回ゴールの高尾駅である。8:30に出発。まずは南下してR413に合流し、山伏峠まで延々と上る。そこから山中湖畔を走り、籠坂峠、長尾峠と越えて最終的には小田原まで走る予定である。長い一日になりそうだ。
走り出してすぐに神奈川県に入り、R413との交差点を右へ。素直に道志を目指しても良かったが、元気のあるうちにちょっと寄り道しよう。R413は津久井湖の南岸を通るが、北岸にも道がある。神奈川の誇る激狭県道r515だ。写真のように津久井湖を見下ろしながら走る。

狭い部分はこんな感じ。幅1.7 m制限だ。待避所はあるけれど、間違っても車では入りたくない。カーナビはこの道も選んでくるのか。しかもかなり高い崖の上の道である。名手まで走って左折。

寄り道を終えてR413に合流したつもりが、間違ってR412を走っていた。15分くらいのロス。何とかR413に復帰して、道志を目指して走り出す。たまに写真のようにセンターラインが引かれていない部分もある。思いのほか交通量が多いので、なるべく車が少ない道を選んで走る。

津久井を延々と走って10:40に山梨県との県境に至った。ここから道志村である。高尾から約35 km走っている。

一枚上の写真から少し先に進んだところの神奈川方面の眺め。橋がまたいでいる川が県境である。ネットに同じ写真をちらほら見かける。

正午頃に道の駅どうしに到着し、少し長めの休憩をとる。
河原で遊べるようになっている。せっかくなので川に入る。
人気の道の駅のようで、駐車場待ちで渋滞していた。

道志みちは概ね緩やかな上り坂で、自転車にとって走りやすい道なのだが、山伏峠への上りだけはややきつい。しかも、写真のように直線的な部分が結構ある。景色の変化がない上り坂は走っていて嫌になる。
それでも何とか13:05に山伏峠に到着。標高1100 mである。スタートから950 m程度上ってきた。いつも、峠に着く瞬間はそれまでの苦労を全て忘れてしまう。

現道は山伏トンネルで抜けている。通れないのはわかっているが、一応旧隧道を見に行こう。道志側は完全に埋められているが、山中湖側は生きている。遠目からみて満足する。

少しだけ下って山中湖に13:30に到着。山伏峠は片峠であり、ほとんど下りはなし。ここまで上ってきた貯金は籠坂峠の下りで使う。
大変良い天気だが、富士山が見えないことが発覚。左の雲の中に隠れている。山中湖は来たことがあるので許せるが、籠坂峠から須走の間で富士山が見えないのは非常に残念である。

山中湖の南岸で左折しR138を南へ。籠坂峠を上る。こちらも片峠であり、山中湖からの標高差は100 m程度しかない。14:00には峠に到着。標高1104 m。写真は籠坂峠の少し先の切通し。

籠坂峠の御殿場側はかなり傾斜がきつい。標高450 m程度の御殿場まで一気に下る。上ってくる自転車とすれ違うが、道志みちから山中湖まで上るよりはるかに大変だと思う。
写真は富士登山道須走口のあたりから富士山の方角。すぐそこにあるはずの富士山は見えない。

14:40に御殿場の市街地に到着。吉野家があったので昼食休憩。
もし、体力・気力・時間のいずれかがなくなった場合は、御殿場からR246を走ろうと考えていた。R246であればずっと下りで、いつでも御殿場線を使ってエスケープできる。しかし、余裕があったので当初の予定通り厳しいルートを選んだ。箱根外輪山を越えて小田原を目指す。

箱根裏街道R138を走る。アウトレットの脇を走り、箱根外輪山を上っていく。R138の現道は外輪山を乙女トンネルで越えているが、傾斜の緩そうなr401長尾峠を走る。乙女峠の旧道だが、現在は箱根スカイラインのアクセスとして生きている。
ここまで既に90 km近く走ってきている。これを上りきれれば、以前よりレベルアップだろう。

写真は長尾峠の上り。静かな道を上って行く。現道より自転車向きだろう。だらだら坂のぐねぐね道は、急坂の直線的な道よりどんなに距離が長くとも精神的に楽である。車だと逆だろうけど。
途中から急速にガスり、景色は望めなくなった。しかし、100 mごとに表示があり、これを目標にして上り続けた。

遂にゴールだ。箱根スカイラインとの分岐にたどり着いた。今日の上りはこれで終わり。現時刻は16:15。長尾峠は標高911 mであり、御殿場から450 m程度上ってきたことになる。
右が箱根スカイライン。左前方に向かう。

もやの中から現れたのが長尾隧道。隧道を抜けると神奈川県だ。

通り抜けた先は急カーブである。今ではまずありえない、いかにも古い道路の規格。

仙石原と芦ノ湖が見えるはずの長尾峠からの眺望。帰ってから調べると、どうやらここには午前中に来ないとだめらしい。

一気に下り、仙石原を疾走する。16:50に宮ノ下に到着し、R1に合流。
しかしここから信じがたいくらいの渋滞。夏の休日の箱根をなめていたようだ。爽快な下りのはずがストレスフルである。いつか再び箱根を訪れるときは曜日と時間を選ばねばならない。

定番の大平台のヘアピンカーブもひどい渋滞。

函嶺洞門も渋滞している。柱の「土木遺産」はちょっとカッコ悪い。保存の意思があるのはいいのだが。

写真の角度が良くないが、旭橋である。函嶺洞門よりもこちらの方が好きだな。ななめってるのが良い。

17:30に湯本着。宮ノ下から40分もかかってしまった。湯本の交差点でようやく渋滞も終わり。信号の調整で渋滞は何とかなりそうなのだけど。

写真は旧道入口の三枚橋から見た箱根湯本駅方面。
この後、旧道に少し入ったところの立ち寄り湯に入って帰る。力尽きていたこともあるが、旧道は傾斜がきつくとても走れる気がしない。最初に箱根に挑むときはR1を上ろう。

一風呂浴びた後、小田原までのんびり走る。初回ゴールの小田原に18:40着。輪行して帰京。

地図のリンクは https://ridewithgps.com/routes/41301947

今日は休憩込みだが10時間走った。以前より長時間走れるようになったと思う。体力的には変わらないと思うので、体力温存と栄養補給が上手になったんだろう。以前より根性もついた。
総走行距離122.7 km。当然これまでの最長である。100 kmの壁を大きく突破することができた。総獲得標高2184 mと、結構上るコースでこれだけ走れたので大いに満足である。これで準備はOKだな。
inserted by FC2 system