8. 御坂峠と笹子峠
2011年8月
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今回は山梨県を代表する二峠に挑む。共に現道は長大トンネルである一方、旧道は長く険しい。だが、自転車でも自動車でもバイクでも、時間があれば一度旧道を走ってみることをお勧めしたい。今回は御坂、笹子の順で走破し、さらに雛鶴峠を越えて藤野に至り、余裕があれば大垂水を越えて高尾まで走る欲張りな計画。が、最後に落とし穴が待っていた。


R137御坂峠とR20笹子峠、共に東西の大動脈としての歴史があり、今は静かな眠りについている。今日はその様子を伺いに行こう。引退後も県道として管理されており、通行に問題はないはずである。
スタートは富士吉田。8:15に出発。R137御坂みちを行く。今日は快晴だ。

少し走って河口湖に到着。湖岸から御坂峠方面を望む。この山を上りきらないといけない。
峠道に入って、二つの巨大なヘアピンカーブを通過。だいぶ上りがきついし、交通量が多い。朝からハードワークである。

新御坂トンネルの入口までたどり着いた。このトンネルは3 km近くある。幹線国道のそんなトンネルに入ったら死んでしまう。ここからr708に指定されている旧道を走るので、ようやく自動車から解放される。
しかし、看板に御坂峠の先で旧道通行止めと書いてある。古い看板なので今は大丈夫と信じて進む。峠の手前が通行止めならまだ良いが、先で通行止めはやめてほしい。峠まで上り返すのは想像したくない。

旧道を延々と走る。写真は直線だが、かなりグネグネと曲がった峠道。だが、傾斜が緩く車がほとんど来ないので快適。朝一なので元気もある。快調に上って行く。

9:50に御坂峠に到着。標高1300 mであり、これまでの最高到達点だ。けれど、第4回の天城峠や第7回の松姫峠と比べると楽勝だった。スタート地点の富士吉田の標高が高く、さらに朝一に走ったからだと思う。逆から夕方だと上りきれないだろう。

写真は峠から見える河口湖と富士山。絶景である。

おそらくこの景色を見に来る観光客がいるのであろう、旧道であるにもかかわらず立派な茶屋がある。給水のためにあてにしていたのだが、予定より早くついたためにまだ開店してなくて困った。丁寧に自販機の電源まで切られてる。中の人を呼んで自販の電源を入れてもらった。

茶屋のそばにある御坂峠の立派な標柱。地面が傾いているように見えるが錯覚ではない。ここはまだ上り坂である。本当の頂点に立てると真っ暗で見えないだろう。

ということで、茶屋の先に待つのがこの暗い穴だ。旧御坂隧道。S6からS27までこのトンネルが甲州街道としての地位にあった。
見づらいが扁額は「天下第一」。峠からの景色か。

デジカメは感度が良いのでこのように写る。思いのほか天井が高く、実際には暗闇に紛れてほとんど見えない。
途中から傾斜が変わっているのがわかる。一枚上の写真で、出口が見えない原因である。自転車で走ると、地の底に落ちていくような感覚がある。おそらくここまでののぼりで感覚が麻痺していて、トンネル内の緩い上り坂を感じないからだろう。下りが実際よりも急に見える。

御坂側は暗かった。ここから一気に下る。こちらの峠道はほとんどずっと二車線ある。

下りのつづら折れである。この先でバイクがかっこよく抜いていった。自転車は下りでは結構速いんだけどな。しかも路面には落ち葉が結構ある。
二つ下のヘアピンでバイクはこけていた。すれ違いざまに、大丈夫ですかと聞いたが、大丈夫とのこと。多分逆に私がバイクでこけて、どのような状態であっても同じ答えだろう。

御坂峠は御坂側の方がはるかに長い道のりである。新道に合流してからは快走路となり、多分とんでもないスピードで突っ走る。r34との交差点を右折するとその先は勝沼である。r34からの風景はこのような葡萄畑。正に勝沼的である。時刻は11:00。

R20甲州街道を東へ。すぐに笹子峠への上りが始まる。写真は商店の前で休憩中。

笹子峠も現道は3 kmクラスの長大トンネルである。案外自転車が現道のトンネルに向かっていく。トンネルはつらいと思うけど。
写真は笹子峠旧道。こちらはr212に指定されている。御坂峠の旧道よりも道が狭い。

旧道の途中から、写真のような道が枝分かれしている。どう見ても車道なのだが、正体は不明。林道には見えない。

かなり上ってきた。周りの山の稜線とそう変わらない高さに登っている。
笹子峠の旧道では何人かの自転車乗りとすれ違った。

12:45に笹子峠に到着。笹子峠旧道も御坂峠と同じように最後は隧道で抜いている。特徴的な意匠である。御坂隧道より狭く、出口が見えているので恐怖感はない。

残念なことに峠の標柱はご覧のような有様である。「子」しか読めないが、朽ちた部分に「笹」と書いてあったのだろう。
隧道を抜け、一気に下る。いつも峠の下りは記憶が薄い。そのうち逆から上るのもいいと思う。

再びR20に合流し、延々と走って大月駅に13:50に到着。第7回のゴール地点である。
昼食休憩後、14:20に出発。この日は特に暑い日であり、大月市内を走っていると高温警戒情報が防災無線で流れた。多分35℃を超えていたのだろう。
ここからR139を南下し、r34を東に走って雛鶴峠を目指す。

都留に向かってR139を走っていると、左手に年季の入った煉瓦の建造物。帰って調べると、駒橋発電所の落合水路橋というものらしい。
この写真をとった直後、まさかの夕立で大雨。さっきの高温情報は何だったのか。思わず、写真で見えている一番左の穴に潜り込む。

なかなか夕立は止まない。
通勤であれば強引に走るのだが、遊びのときは雨が降ったら走らないことに決めている。
しかも携帯で気象庁のレーダーをみると、雛鶴峠のあたりはもっと雨が強いように見える。甲州街道を帰るという選択肢もあるが、車が多いので走っていてあまり楽しくなさそうに思えた。

1時間くらい待ったのち、あきらめて帰ることにする。小雨になった瞬間を見計らってここから最寄りの禾生駅に向かい、急いで自転車をたたむ。

富士急は電車の本数が多くはない。電車を待っている間に再び晴れた、が、東の山には雲が張り付いているので、無理せず帰った。

地図のリンクは https://ridewithgps.com/routes/41301931

総走行距離75.6 km。夕立で打ち切ったのでいつもより短めである。標高が高い地点から走り出したので体力的にも余裕。次回はその分長い距離を走ろう。
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