千三百年もの歴史をもつ古の道、神坂峠。東山道の最難所であり日本を代表する峠道といえるのだが、名古屋からだとかなりアクセスしやすいところにあること、峠までのピストンとなることが濃厚であることから、後回しになっていた。万を持して、神が降りる峠に挑む。
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今日は午後の早い時間で切り上げる可能性が高いので、気合を入れて始発でやってきた。今日のスタートは賽の神峠を越えた第58回以来の中津川駅。8時に出発。 |
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木曽路を走った第40回と同じようにR19を北上し、沖田の交差点を右折してr7へ。コンビニの前で朝食。前方には恵那山を一望できる。今日は快晴だ。 |
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r7を進む。神坂峠を感じさせる最初の標識が現れた。富士見台高原まで19 km。そのほとんどが上りだ。 |
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前方にそれっぽい山並みが見えた。この写真に見えている範囲のうちいずれかの鞍部まで上ることになるのだろうか。 |
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馬籠峠に向かうr7と分かれ、今日は直進する。
長閑な道が続く。この先で湯舟沢川を渡ると、本格的な上りが始まる。
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林の中をひとしきり上ると、視界が開けて霧ヶ原の集落が現れる。この辺りはまだ人の気配が十分にある。 |
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最澄が開いたという広済院を過ぎると、人の気配が無くなった。標識によると、富士見台高原まで10 km。 |
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現時刻は9:45、林道の起点を示す標識が現れた。ここから先は林道大谷霧ヶ原線。ここまでは中津川市道だったのだろう。 よく見ると、L = 7,869 m(全体L = 17,519 m)と書いてある。前者のLは神坂峠までで、後者のLは阿智村のr477終点までの距離だろうか。
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林道に入ってからもそれまでとほとんど変わらない規格で峠道は続く。10:15、強清水に到達。説明文によると、標高は約1100 m。中津川の標高は約300 mなので、既に800 mも上ってきたことになる。
冷たい清水で顔を洗い、再び走り出す。
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神坂大檜に向かう分岐に到達。ここまで来ると、富士見台高原まであと3 km。 |
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周囲の雰囲気が峠を感じさせるようになった。正面右手の窪みが峠だろうか。 |
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九十九折れで斜面を上ってゆく。この辺りは勾配もきつくなく爽快に上る。 |
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一段上るたび、背後の景色はより広がる。どこが見えているのか正確には分からないが、麓の町も望むことができる。 |
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今日も何とか上りきることができた。峠はすぐそこだ。 |
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11:25、神坂峠に到達。岐阜・長野の県境である。標高1569 m。神坂集落から概ね8%の勾配で約1100 mの標高差を淡々と上り続けた。中津川からは1200 m以上標高を上げている。
さて、これからどうしようか。
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まずは古道の神坂峠に向かう。峠に自転車を置いて、登山道を歩く。 |
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少し歩くと、視界が開けた。案内板によると、ここが古道の神坂峠。標高1585 m。古くは信濃坂とも呼ばれたらしい。碓氷峠と双璧をなす、東山道の難所である。 この峠が主に利用されたのは古墳時代から中世までであり、その後は鳥居峠を越える道が主役となったらしい。
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車道の神坂峠に戻る。神坂峠の先で、車道は二手に分かれている。まずは南側に延びる道へ。阿智側から上ってきたのだろうか、ハイカーが歩いているので気をつけて進む。 |
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少し進むと、南アルプスを一望できる。 |
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さらに進むと、柵が現れた。左手の道はヘブンスそのはらスキー場に向かう。阿智側に下るのであれば、右手に進むことになる。 しかし、ここから下ることはない。柵の前に自転車を置いて、歩きで少しだけ進んでみよう。
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すぐにこの自主規制の標識が現れる。これによると、この先は再び大谷霧ヶ原線となるようだ。関係者以外の通行が禁止されている。 この林道の通行が自主規制とはいえ禁止されていることは、事前調査で把握している。ここで引き返す。
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神坂峠先の分岐まで戻り、続いて北側へ。少し走ると写真の萬岳荘に到達。現時刻は12:10。ここで車道は終わり。 |
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萬岳荘の裏から、古道の神坂峠道の道のりが続いている。自転車で下るならこちらなのだけれど、今回はやめておく。いつかここを自転車付きで通る機会があるだろうか。 |
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少し時間があるし、今日は快晴なので珍しくトレッキングをしよう。富士見台に向けて、徒歩で上ってゆく。 |
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前回の鬱憤を晴らすかのような、完璧な天気だ。ここまで意外と見えなかった恵那山を望む。 |
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神坂峠まで戻ってきた。 |
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神坂峠側の林道標識。現時刻は13時前。中津川14:06発の特急で帰名したいので、ここからノンストップで下る。 |
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一気に下り、13:30には中央自動車道を下る地点まで戻ってきた。ここから先は上りがあるので、まだ間に合うかどうか分からない。 |
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必死でペダルを漕ぎ、13:55に中津川駅に到着。無事、14:06の特急で帰名した。
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