40. 木曽路 前編
2014年9月
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一般には、木曽路の見所といえば宿場町なのだろう。馬籠、妻籠、奈良井といった中山道の宿場の町並みは今もなお素晴らしい風情をもつ。しかし、自分にとっては鳥居峠こそが木曽路の象徴だ。同じく中山道の難所である碓氷峠と比べると影は薄いが、日本最長の道路隧道が存在したことがある重要な峠だ。忘れ去られてしまった道路史の一コマを、この目で確かめてこよう。


今日は8時前に中津川駅を出発。前回のゴールである。塩尻、さらには松本を目指してひた走る。
写真は中津川駅のホームにあった「これより北 木曽路」の石碑。


まずはR19旧道を進む。青看によると塩尻まで99 km。今日も長い道のりになりそうだ。

今日最初の上り。中津川の市街地を見下ろして進む。

沖田交差点を右折してr7へ。地図には旧中山道とあるが、いつの時代の中山道だろう。R19だったことはあるのだろうか。
写真はr7を跨ぐ中央自動車道。中山道をベースとするR19や中央本線と異なり、中央自動車道は神坂峠の下をトンネルで抜ける。中山道よりさらに古い東山道に近いルートだ。

r7はこの交差点を左折。直進すると神坂峠に向かう。

この辺りは、S33に長野県から岐阜県に越県合併された地区だ。木曽谷には岐阜-長野県境、つまり美濃-信濃国境があり、その境界線は時間軸に対して揺らいでいる。

9時に馬籠宿に到着。宿場の町並みを自転車で通るのは遠慮した。押して歩くのも気が引けた。

馬籠宿を抜けて進む。折角なのでなるべく街道を走る。街道筋に警戒標識があるということは、ここが旧r7でもあるということだ。

馬籠峠の直下の集落を行く。前方に峠のV字が見える。

峠は目と鼻の先だ。
ここで「長野県」の標柱を発見した。県が変わったことをはっきりと示している。馬籠地区を含む旧山口村は、H17に越県合併した。

9:25に馬籠峠に到達。ここから先は第26回以来の長野県だ。峠には標高801 mという看板があったが、少しサバを読んでいる気がする。しかし、中津川の市街地とは少なく見積もっても400 mの標高差があり、侮れない。
よく見るとヘキサの県名も修正されている。

峠から一気に下る。写真のようにセンターラインのない区間もあるが、概ねよく整備されている。

馬籠宿と対をなすのが妻籠宿だ。こちらも自転車は大変居心地が悪い。早々に退散した。

r7は清内路峠を越えてきたR256と合流し、さらに進むとR19とぶつかる。R19との三叉路の脇に旧橋がひっそりと残っている。吾妻橋、S28竣工。

吾妻橋を渡り、旧道を進もうとするがすぐに廃道となる。ここは大人しく引き返す。

吾妻橋を戻り、R19との交差点を中津川方面へ。少し進むと、現道は立派な南木曽大橋で木曽川を渡る。その袂に、いかにもという旧道が残っている。こちらが本命だ。
一般車両通行禁止だが、少し覗いてみよう。

かなり大規模な土砂崩れがあったようだが、一車線分だけきれいにどかされている。

落石防止柵に木が突き刺さっている。林道や旧道を走るようになってこういうのはだいぶ見慣れたけれど、かなりの迫力。
残念ながらダム管理と思しき車が遠目に見えたので引き返した。この先には賤母隧道があるのだが残念。しかし、帰ってから驚いたのだが、この先の区間はグーグルのストリートビューで見ることができる。何やってんだグーグル。そういえば毛無峠も見られるし、狙っているとしか思えない。

寄り道を終え、再びR19とR256の分岐に戻ってきた。この先の道のりを望む。写っていないが、左手にT12竣工の読書発電所がある。
写真のロックシェードを潜って左に分岐する旧道へ。その後再び現道に戻る。

旧道は三留野交差点で山側に分岐。r264に指定されている。南木曽駅前を10:20に通過。南木曽駅のあたりから木曽川を渡るとんでもない橋がちらちらと見えていたのだが、桃介橋という読書発電所の資材運搬路のようだ。
写真はその先にあった中央本線の跨線橋。以前はおそらく踏切があったのだろう。

その先の梨子沢で大規模な土石流の跡に遭遇した。この夏の台風によるものだ。中央本線の橋梁が流出し約1ヶ月にわたり不通となったが、走行時には復旧しており、この遠征を実現できた。後で御嶽の噴火に触れるが、本当に絶妙なタイミングの遠征だった。

現道をしばらく走り、十二兼駅の付近では旧道を行く。第15仲仙道踏切を渡り再び現道に合流。すぐに旧道っぽい道が左手に分かれるのでそちらを走ると、民家の脇にそれがあった。はっきりと写真に写っているが、わかるだろうか。

錆びきった南木曽町の白看。ここは南木曽町と大桑村の町村境だ。大桑村の白看も探したけれど、残念ながら発見できなかった。
また一村、村コレクションを増やすことができた。長野県には2014年現在、35もの村が存在している。今回の遠征を含めても、たった4村しか訪問できていない。

いつまで現道だったのだろうか。一直線に伸びる旧R19。

第14仲仙道踏切。どうやって幹線国道の交通量をさばいていたのか想像できない。この先には旧第3仲仙道という名の踏切もあり複雑だ。いつかこのあたりのR19と中央本線の変遷を解明したい。

野尻駅付近で、r261に指定されている旧R19。この辺りは線形がわかりにくく、道に迷ってしまった。

再び一直線に伸びる旧道。待避所もあり、この道路が幹線だった時代があることが感じられる。前方に見えるのは南駒ヶ岳だろうか。中央アルプスの山並みが素晴らしい。

11:20に道の駅大桑に到着。11:30の開店を待ち、レストランで早めの昼食休憩をとった。

地図のリンクは https://ridewithgps.com/routes/41384783

ここまで3時間半で約40 km走ってきた。少し遅めなのでペースを上げていこう。
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