45. 甲州街道 前編
2015年5月
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久々に関東を走るチャンスが巡ってきた。これまでの遠征の空白域といえる甲州街道を走る。これまでの遠征で、高尾藤野大月甲府といった街道沿いの町にピンポイントで到達したことはあったが、笹子峠を除いて甲州街道自体を走ったことはなかった。今回は、東京からみて最初の難関となる、あの峠を越えよう。


今日のスタートは八王子駅。現時刻は12:50。半日だが、久々の関東を楽しもう。

R20甲州街道を西へ。和田峠に向かうr521陣馬街道が右手に分岐するが、今回はスルー。和田峠の神奈川県側が通行止めのため、今回は遠慮した。

13:25、第6回のゴール第7回のスタートである高尾駅を通過。当時は高尾付近を南北に通り過ぎたんだけど、今日は東西に走る。

R20からr516が分岐。まずは旧街道のr516へ向かう。M21まで国道指定されており、R20の旧道といえる。

小仏関跡を通過。今のところ、街道の割には緩勾配で走りやすい。

前方に巨大な道路構造物が見えてきた。中央道と圏央道が交わる八王子JCTだ。かなり高いところに建設されており、圧迫感がある。

中央本線を潜る。立派な煉瓦の構造物だ。M34竣工、第二浅川橋梁。この先で中央本線は小仏隧道へ。

こちらも間もなく小仏トンネルに向かう、中央自動車道の脇を進む。スペックはかけ離れているが、r516と中央道は同様の役割を担う道といえる。高速道路の緑色の標識によると、名古屋まで332 km。

中央本線と中央道がトンネルに入ると、旧街道には九十九折れが現れた。トンネルという選択肢を取らないのであれば、標高を上げなければならない。しかし、この線形は意外だ。このままこの規格で峠を越えてしまいそうに錯覚する。

時刻は14時。車道としてのr516の終点に到達。ここから先は小仏峠の登山道ということになっている。無論、一般車両は通行止めであり、写真の柵にはオートバイ進入禁止の旨が記載されている。
さて、ここから先は登山道だし引き返すかというと、そんな訳はない。M21まで国道に指定されていた旧街道を、相模湖まで突破する。そのためにここまでやってきたのだ。ここは人気の登山道であり、ハイカーだらけだ。どんなに奇異な目で見られようとも、受け流して上らねばならない。そしてハイカーには決して迷惑をかけないように。

路面は砂利道になったが、車道終点の手前と遜色ない規格で道は続く。乗れないことはないが、登山道なので押して進む。

歴史を感じさせる石垣が現れた。道幅は完全に車道規格である。人道+石垣だった道を左側に拡幅したのだろうか。そうは思えない。この石垣と道幅は、明治期の改修に感じられる。そうだとすると、この区間が林道として後年に整備されたのではないことを意味する。先程の九十九折れといい、どこまで車道として整備されたのだろう。もしかしてずっとこの規格で続くのか。

そんなことはなかった。小仏峠道は、ある地点を境に完全に登山道となった。こちらが本当の車道終点といえる。ちょうど小学生が遠足に来ていたので、写真はない。終点の辺りも探索できなかったが、隧道の建設計画があったとしても全く驚かない線形なので少し気になる。妄想だけれど、400 m程度の隧道で十分抜ける。
写真の地点は激坂だ。簡易舗装があるので何とかなるが、自転車付きで滑ると大変なことになる。

必死で自転車を押していると、とんでもないものが現れた。r516の6 kmポストだ。帰宅後にネットで調べると結構有名なキロポストのようだが、当地ではかなり驚いた。

峠に向かう最後のストレート。登山道を押して上るのにも慣れてきた。

14:20、小仏峠に到達。標高560 m。東京-神奈川の都県境であり、この先は相模原市だ。峠にはハイカーがうろうろしており、場違いなところに来てしまったと感じる。しかし、今日は平日なので休日よりはましなんだろう。休日はハイカーでごった返していると予想する。
写真から、小仏峠の鞍部はかなり広いことがわかる。

甲州道中の立札。さあ下ってゆこうと進むとチェーンが外れており、手が泥と油まみれになってしまった。
ほとんど全てのハイカーが高尾山方面に縦走するか東京側に引き返すようだ。この先は人と出会わなくても良いかもしれない。

小仏峠道を相模湖方面に下り始める。r516自体は神奈川県側も続いているが、この登山道ではない経路が県道に指定されているように思う。

相模湖側は、八王子側と比べて緩勾配だ。ハイカーもほぼ皆無で乗れないことはないんだけど、路面は荒れているし怪我をしたくないのでほとんど押して下った。土の流出を防ぐためか、丸太で階段状に整地されている部分も多く、自転車では走りづらい。

チェックポイントである送電線の鉄塔。この辺りは乗れるが、林の中に入ると路面状況は元に戻る。

唐突に車道に合流する。残念ながら、小仏峠道の神奈川側には古さを感じさせる車道は存在しない。車道としての歴史を感じさせた東京側とはかなり様子が違う。神奈川側の様子を見ると、隧道計画説は妄想に過ぎないと思う。

現道に向かって快適に走る。中央本線の小仏隧道の坑口を拝めるかと思ったが、ちょうど良い場所が見当たらなかったのであきらめた。

現道に合流。今日はここから西へは向かわない。和田峠の西側が通行止めでなければ、藤野までR20を走って和田峠を越えたかもしれない。
左折して千木良へ。

千木良集落で新旧道が分岐する。連続雨量の規制標識があり、この先が峠道であることがわかる。まずは右の大垂水峠旧道へ。M21からS31まで現役だった旧国道であり、現在はr515に指定されている。

旧道を進む。あからさまな青看が出現。

この辺りまでは継続して手が入っているように見える。勾配は緩い。

通行止めの看板が現れ、未舗装路になった。ここから先は旧道落ちからずっと放置のように思える。もう少しだけ進む。

再び通行止めの看板が現れた。この道は今日はここまで。現道とは大垂水峠で合流するが、ここから先は完全に廃道のはずだ。

旧道からの眺望。小仏峠からずっと景色を望めず、ここにきて初めて遠くまで見通せた気がする。写真には写っていないが、眼下には相模川が流れる。津久井湖と言っていいかもしれない。

地図のリンクは https://ridewithgps.com/routes/41390999

現時刻は15:10。ここまでの走行距離は概算だが19 km。2 h 20 min走行したにしては遅すぎるが、自転車を押して峠を一つ越えたので仕方ない。後編ではまず津久井湖の北岸に沿って進んでみよう。
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