34. ホハレ峠と八草峠 前編
2014年4月
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岐阜県西部のとても大きなダムの建設により、生き返った峠道と死んだ峠道がある。私が道路の魅力に憑りつかれた当時、それぞれ廃道・酷道の代表として名を馳せていたことを思い出す。いつかは訪れたいと思っていた憧れの峠に挑むチャンスがやってきた。


転勤により名古屋にやってきた。単身赴任であるため生活の100%を移すわけではないが、自転車の遠征はこちらが中心になるだろう。
ということで、名古屋編の初戦では敦賀を目指す。本当は焼津まで走ることでこれまでの経路と繋げておきたいんだけど、それは冬にとっておこう。敦賀は遠いようにも思うが、久々の自宅スタートで十分に時間があるので何とかなるだろう。

6:15に千種区の自宅を走り出した。

広小路通りを西へ走る。日曜早朝の市街地は爽快だ。久屋大通を右折。正面にテレビ塔。

さらに名古屋城のすぐ脇を通る。完全に観光モードだ。残念ながら天守閣はほとんど見えなかった。名古屋城の縄張りは広い。やはり名古屋は城で保っているのかもしれないと思いつつ、写真の交差点を右斜め前方へ。岐阜に向かうR22に合流した。

上更交差点を直進して旧R22のr67へ。程なくして枇杷島橋で庄内川を渡る。江戸時代から何度も架け替えられ、地味だが名古屋を代表する橋である。この橋を渡ると清須市へ。

古そうなヘキサを発見。補助標識の矢印が消えているので勘違いしそうだが、r67とr59の重複区間ではない。これで問題が起こらないということは、誰も見ていないということだな。取り外されないことを祈ろう。
7:15に清洲城を通過。いつの間にかr190に変わっているが気にせず進む。

7:50に一宮駅に到着。かなり歴史のありそうな町だ。岐阜-名古屋間の中心都市だろう。しかしこのJRの駅ビルはどうなんだろう。目がちかちかする。

旧木曽川町エリアを走り抜け、8:15に木曽川橋に到着。S12竣工の鋼橋であり、愛知-岐阜の県境を跨ぐ。岐阜県を示す標識を見つけられず残念。

木曽川を渡った対岸は笠松だ。ここは当然笠松競馬場へ寄り道しよう。写真は最終コーナー付近からダートコースを眺めている。競馬場が生きている間に訪問できてよかった、とならないよう心から祈っている。自分にとって笠松といえばオグリキャップよりもライデンリーダーだ。

r14、r1と走り継ぎ、8:46に岐阜駅に到着。吉野家で朝食休憩。ここまで約40 km走ってきた。濃尾平野は広い。
緑のバスが信長ラッピングバスでうけた。そういえば今日は信長の領土を辿るといえるかもしれない。

せっかくなので岐阜城を眺めに行こう。R256を北上すると、なかなか良い雰囲気の町並みが残っている。前方の金華山頂上に天守閣が見える。想像していたよりもはるかに高い、完全な山城だ。

写真の長良橋を渡り、左折して長良川の右岸堤防上を通るr163へ。

左手に忠節橋。S23竣工。Wikiによると、戦後の日本に初めて架設された大規模鋼橋であるらしい。

忠節橋を渡ってきたR157・R303と合流。わざわざ二国道の重複区間であることが補助標識に示されている。
引き続き長良川右岸を進む。

本巣市に入り、程なくしてR157とR303の分岐に到達。分岐には中々良い白看(?)があった。今日はR303揖斐峡に向かう。R157淡墨桜から温見峠はまたの機会に取っておこう。

ようやく今日の主役であるR303の単独区間に到達した。ここからが本番といえる。ここまで55 km走り、現時刻はちょうど10時。自宅スタートなので仕方がないとはいえ、長いアプローチだった。これで次回以降は楽をできる。例えば上に挙げた温見峠を走るためには少なくとも岐阜までショートカットしないと大変だろう。

清水集落のR303旧道を走る。今日はこれから飽きるほど旧道を走ることになる。ようやく前方に山並みが迫ってきた。

今日のキーワードの一つである徳山ダムという名前が現れた。そういえば、この地点の手前で左手からR417が合流し、再び二国道の重複区間となっている。R417の旧徳山村から冠山峠もいつかは訪れたいルートなのだが、そのうち手が届くかもしれない。
案内看板の左手前方へ進む。下調べしてこなかったが、思い切り旧道の線形だ。

一見単なる集落道に速度制限の標識が立つ。
4 km近い長さの旧道を進み、最後に急坂を上って現道に合流した。現時刻は11時。自宅から約70 km走り、ようやく濃尾平野の果てまでやってきた。

現道を進むとすぐに新旧隧道のセットが現れる。左はS14竣工の北山隧道だ。S56に右の新北山トンネルが開削されるまでR303現道だった。今もr271に指定されている。

北山隧道を抜けると景色が一変した。どうやら揖斐峡と呼ばれるエリアに入ったらしい。今年も始まったなと思った。

隧道を抜けると良い雰囲気の旧道が続く。山側には古い石垣が連なり、かなり歴史のある道であることを伺わせる。
新北山トンネル出口付近で現道と合流し、少し走ると久瀬トンネルに対応する旧道が分岐する。ここまでで既に旧道を10 km以上走っている。

久瀬トンネルの先で現道に合流。小津に向かうr268との分岐をスルーし、名倉トンネルの手前で再び旧道へ。すぐに写真の神山隧道が現れる。S27竣工。左手には久瀬ダムが見える。現道の高架をくぐり、樫原トンネルの先で現道に合流。

続く椿井野トンネルにも旧道がある。現道は屈曲した谷を隧道と橋梁の組み合わせにより直線的に貫いており、旧道が谷沿いに完全に残っている点はR299の上野村エリアとよく似ている。旧久瀬村と旧藤橋村の村境を示す標識を旧道で発見。

旧道にあった鋼製の青いシェード。この先に大規模な崩壊の跡があるが、完全に復旧されている。どうやらマラソンコースに指定されているためだが、これはいままでにない旧道の用途だな。

旧道左手に立派な煉瓦造りの建物が見える。T10竣工で今なお現役の東横山発電所だ。帰宅後ネットで調べると、上流のかなり離れた地点から取水していることがわかり、規模の大きさに驚かされた。長良川の電源開発が地域の発展に極めて重要であったことを伺わせる。走行中には気が付かなかったが、写真を撮っている地点もかなり古そうな石橋である。

旧道を進み、藤橋の道の駅に12時過ぎに到着。写真の蕎麦屋で昼食休憩を取ろうとしたが、大混雑により挫折。旧坂内村の道の駅に期待しよう。

地図のリンクは https://ridewithgps.com/routes/41377689

ここまで6 h弱で85 km走ってきた。平均すると約15 km/hで悪くないペースだが、現在地の標高はたった150 m程度で思いのほか上っていない。
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