71. 青木峠と和田峠 前編
2020年7月
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長野県の山はどちらかというと南北に連なっているため、東西方向の移動がより大変であり、歴史のある峠道が多いと思う。今回は、そのうち二つを越える。


今回は9:15に松本駅を出発。前回に松本に来たのは第40回なので、6年ぶりだ。朝一のしなので輪行して走り始める、というのも何回かあったはずだが、久しぶりな気がする。

そもそも、こういう爽快な晴天の下で走るのも一年ぶりだ。自分が忙しすぎるし、天気運にも恵まれないし、さらにこの一年で世界は変わってしまったかもしれない。

せっかくなので松本城を眺めに行く。

松本城の先でR143に合流。ここから、50 km以上先の上田まで、R143をトレースする。

松本の市街地を抜けて北上する。市街地はこちら側にはあまり広がっておらず、すぐにこのような風景になった。

9:45に、三才山トンネルに向かうR254との分岐に到達。三才山トンネルは自転車で走れないこともないが、ここはもちろん直進する。明通トンネルの名前はここで初めて現れた。

R254との分岐を直進し進むと、松本市から安曇野市へ。一度かなり下り、その後上ると再び松本市へ。この辺りのR143は徹底的に改良されている。これから向かう旧四賀村のエリアにとってはこの道が生命線なので当然の改良だ。

淡々と上ると、前方に刈谷原隧道が見えた。ここには旧道があるはず。左手に分岐する道だろうか。

左手に分岐する道に入ったところに、水準点があった。おそらくこの道は旧道の峠道だろう。けれど、かなり古い道のようなので、今日はこの峠道は越えない。刈谷原隧道の坑口を跨いだ写真の地点で、引き返すことにした。

現道の刈谷原隧道へ。竣工年不明。扁額は左書きで刈谷原隧道。かなり幅員が広いことからすると古い隧道ではないだろうが、一方で古い隧道風の装飾があることからすると、非常に新しいというわけでもないだろう。S40あたりの竣工だろうか。

とすると、それまで国道がどの道を通っていたのかは謎だ。

刈谷原隧道から下ると、開けた景色に一変した。コンビニで休憩し、再びR143を進む。

古いおにぎりを発見。

旧道の存在をあまり下調べしてこなかったのだが、ふと右手を見ると、「この先会吉トンネル」という古い標識が目に入った。これは間違いなく旧道だろうから侵入してみよう。

見づらいが、右手にR143のおにぎりを発見。地図をよく見ると、この道はまだ国道色に塗られているので、おにぎりが残っているのは自然かもしれない。

雰囲気のよい旧道を進む。

改良された現道に戻ってきた。

下会吉のバス停。この辺りから、R143は狭くなった。一方で、新道が建設されようとしている気配もある。

延々と上ると、信号の警戒標識が現れた。峠だろう。

11:35に、会吉隧道に到達。信号制御されているのが特徴だ。峠としての名前は地蔵峠。標高は990 m。松本の市街地の標高が約600 mなので、400 m程度標高を上げたことになる。
これから向かう明通隧道と同時期のM23の竣工。S10に改修されているが、現役の国道隧道では明通隧道に続いて、最も古い隧道だ。

青木側坑口。現在の交通量からすると、信号制御の必要はない。三才山トンネルが開通するS51まで、このルートが主役だったはずだ。

この隧道を潜ると松本市から筑北村へ。

R143は、すぐには下らない。青木峠に向かうトラバース区間であり、下界と隔絶された道が続く。自転車にとっては、この区間が非常に楽しい。また、この区間があるからこそ、峠道が旧道化していないともいえる。二つの峠が連なっているので、単純にトンネルで抜くことができない。大平街道と似た構造といえるかもしれない。

筑北村の中心部に下るr277が左に分岐すると、青木峠への上りが始まる。

少し上ると、再び隧道が現れた。明通隧道だ。M22竣工。現役の国道隧道のうち最古の隧道だが、S32に改修されているためその雰囲気はない。

明通隧道の青木側坑口。線形の厳しさが、古い隧道であることを感じさせる。隧道の先は青木村。

現時刻はちょうど12時。峠道を下ってゆく。見覚えのある、カーブの数を示す標識だ。

一気に麓まで下ってきた。

のどかな雰囲気の中、ひたすら進む。

現時刻は12:25。青木村の中心部まで下ってきた。

青木村から上田市へ。

上田橋で千曲川を渡る。ふと右手を見ると、鉄橋が切れている。上田電鉄の橋梁だ。昨年の水害の影響であり、同様の水害の痕跡を、今回と次回にしばしば目にすることになる。

13時に上田駅に到達。これで遠征が終わってしまいそうな絵面だが、今日はここまでが前半戦だ。

地図のリンクは https://ridewithgps.com/routes/41468083

ここまで3 h45 min走行し、53 km走ってきた。久々の遠征の割には、快調なペースといえる。今回は、ここからが大変だった。
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