名古屋に引っ越してきたことのメリットの一つとして、紀伊半島に手が届くようになったことが挙げられる。いつか矢ノ川峠や伯母峯峠を越えることを夢見つつ、三重県の峠道を一つずつ攻略していこう。
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今日のスタートは桑名駅。現時刻は8:10。前回とは逆に午後から雨の予報であり、前回よりも少し寒く感じる。降り出す前にどこまで行けるだろうか。不安を抱えつつ走り始めた。 |
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第43回で走行したR1を南下し、浅川の交差点を右折するとR421に。今日の主役の一つである。 |
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R421を少し進むとr63となる。写真は員弁川を渡るr26坂井橋。 |
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r63を進むと再びR421となり、さらに進むとr14、r555と変化し再びR421に戻る。ここまでずっと直進しているので、県道の区間は全て旧R421と予想される。大型の交通量が多くこの先が思いやられたが、いなべ警察署東の交差点を左折すると大型車はかなり減少した。ほとんどが直進しr5から関ヶ原に抜けるようだ。 写真は左折した直後の眺め。前方にこれから越えるべき鈴鹿山脈を望むことができる。どの鞍部を越えることになるのだろうか。
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R306との交差点に到達。青看の左下に、滋賀県側の道幅が狭く大型車すれ違い困難との注意書きがある。以前ははるかに厳しい規制内容が書かれていたはずだ。現時刻は9:45。ここから先は石榑峠の区間といえる。 |
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R306との交点を過ぎると上り始め、気が付くと山道になっていた。写真は宇賀渓の入口。左手の表示によると、現在の気温は7°C。走行に支障をきたすほどではないが、やや寒い。 |
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石榑峠の道路情報を示すオレンジ色の掲示板が現れた。現在も雨量による規制があるのだろうか。 |
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登坂車線が設置された立派な国道を必死に上り、写真の新旧道分岐に到達。現時刻は10:20。ここで朝食休憩をとった。 右手はH23開通の石榑トンネル。全長4157 m。数年前まで現役酷道として名を馳せていた石榑峠道を旧道に追いやった張本人だ。もちろん左手の旧道へ進む。
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S29竣工の鵜峠橋を渡ると通行止めのゲートが現れた。左手の隙間を通過。 |
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ゲートを抜けた先も二車線が確保されている。 |
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センターラインのない区間。このようにやや狭いところも見受けられるが、酷道というほどではない。また、途中からほとんど上らず斜面をトラバースしており、楽に進むことができる。 |
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伊勢湾方面を望む。今のところ、曇っているが視界はある。 |
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さて、旧道に入ってからあまり苦労することなく、有名なコンクリートブロックに到達した。現時刻は11:00。今までに見たことのない存在感をもった道路構造物だ。ブロックの内側には車がこすった跡が無数に存在する。 単に激狭の峠道なんて、山ほど存在する。この峠道はトンネル開削前からそれなりの交通量があったらしい。わざわざこのようなコンクリートブロックが設置された理由には、そのあたりが関係していそうに思う。
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たった2 kmだが、ここから先が石榑峠道が本気を見せる区間だ。早速10%勾配の標識が現れた。道幅もこれまでよりぐっと狭くなる。 |
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石垣で囲まれた狭路。側溝もあり、実際の道幅以上に狭く感じる。四輪では決して走りたくない。 |
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急勾配の狭路は続く。この峠道は、先の鵜峠橋の竣工年から考えると少なくとも戦後すぐには車道となったはずだ。正確な開削年を把握できていないが、この狭さを考えると戦前には開削されていたと考える方が自然かもしれない。 |
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上方の視界が開けた。峠は近そうだ。この辺りは水晶の産地らしく、斜面は石英で真っ白だ。崩れやすい地形のようで、路面にも大量の石英が落ちている。前回の青と対照的だ。 |
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11:10、石榑峠に到達。標高690 m。三重-滋賀の県境だ。峠には5枚上の写真のものと対をなすコンクリートブロックが鎮座している。チェーンが張られていたので写真左手の草地を抜けた。 |
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滋賀県側に下ってゆく。ここから先は東近江市。旧永源寺町のエリアだ。第38回以来、久々の滋賀県だ。雨は何とか大丈夫。 |
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峠道を下る前にもう一度振り返る。中々良い雰囲気の峠だ。 |
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滋賀県側の峠道は、三重県側ほど酷な区間はないが平均的に狭かったと思う。また、地質は三重県側と同様に良くないようだ。 |
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旧道入口まで下ってきた。実はこの辺りの峠道は既に冬季通行止めだ。 |
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石榑トンネルの坑口前で現道に合流。 |
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三重県側同様、滋賀県側も現道は本格的に改良されていた。右下に旧道が見える。 |
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折角なので旧道に突撃。落ち葉が積もっており、滑らないように注意しながら進む。 |
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再び現道を走り、神崎川を渡った先で右折し杠葉尾の旧道へ。 |
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再びR421の現道を突っ走る。ふと振り返ると、石榑峠ははるか遠くになった。 |