第34回と第37回において届きそうで届かなかった福井県の海岸線を満喫しよう。伊豆の石造隧道、房総の手掘隧道を思い出させるような古隧道に加え、これまでに見たことのないような強烈な地形が待っているはずだ。
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木ノ本駅を8:25に出発。名古屋からだと最速でこの時間だ。しかも休日だとさらに時間がかかる。今日はお盆休みなんだけど、平日扱いで助かった。 |
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まずは第34回の経路に沿って進む。写真はR8、R303、R365の三重区間の三連おにぎり。 |
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あっという間に賤ヶ岳隧道に到着。木之本側はガスってたので今回は塩津側を載せよう。 |
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第34回と同様に湖岸を走って塩津へ。朝早い時間のためか琵琶湖にも霧が立ち込めているが、前回と異なり景色は十分に見えるので楽しい。 |
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R8のおにぎり。一桁はやっぱりかっこいい。引っ越してきたことを実感する。 少し走って第33回のゴールである近江塩津駅前を9:15に通過。ここから先は未踏だ。
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前方に山並みが見えてきた。深坂峠への上りが始まる。 |
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9:40に新深坂峠に到達。滋賀と福井の県境だ。標高は260 mしかなく、ほとんど体力を使わずに上ってこれた。峠の周囲はかなり地形が変わっているようで、あまり峠らしさは感じさせない。
天気予報によると今日はぐずつきそうなのだが、実際に小雨である。これ以上悪くならないことを祈りつつ福井県へ。
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断片的に残る旧道を辿りつつR8を下ってゆく。麻生口からr140へ。折角なので寄り道しよう。 |
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刀根トンネルを抜けて進むとr140は大きく左にカーブするが、その前方に小さな穴が見えている。M14竣工の小刀根隧道だ。 |
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小刀根隧道は、日本最初の鉄道計画の三路線のうちの一つである、敦賀-長浜間に建設された鉄道隧道だ。短いが無視できない大物といえる。 写真は余呉側。S32の北陸線の換線、S39の柳ヶ瀬線の廃止を経て、たった一軒の民家をr140と繋ぐ道路隧道となり今に至る。
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この辺りが刀根駅跡だろうか。r140は旧北陸線の廃線跡を通る区間が多いんだろうけど、意外なほどの勾配がある。 |
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さて、超大物が現れた。旧北陸線の柳ヶ瀬隧道だ。M17竣工。1352 mもの長さを誇る日本初の長大隧道といえる。この路線は北陸米を関西に運ぶために建設されたらしい。それまでは90日-半年かかっていたのが3日に短縮されたというのだから凄まじい革新だ。 現在はr140として現役である、が、非常に残念なことに自転車は通行できない。徒歩も×。R140駒ヶ滝隧道と同様に信号によって一方通行制御されており、速度を出せない乗り物は進入禁止である。
左に見える橋脚は北陸自動車道だ。こいつのせいで少し雰囲気が良くないが、このルートが重要な道であることを示している。
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寄り道を終え、再びR8を走る。気付いたら晴れていた。快調に進む。 |
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上の写真の青看の交差点付近で疋田橋という名の旧橋を発見した。残念ながら竣工年不明。 |
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小河から敦賀市街地を迂回するバイパスが分岐するが、そちらを通らず下道へ。写真は舞鶴若狭自動車道の高架橋。 |
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10:45に敦賀の中心部に到達。スタートから2時間以上経過しており、かなり道草を食ってしまったといえる。 |
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敦賀の市街地の先には今日のターゲットの一つが待っている。旧R8を塞ぐ柵を乗り越えて進む。 |
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この旧道はS31までR8として現役だったはずだ。よく整備されている。 |
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先に進むにつれて荒れてきたが、前方には斜面が迫ってきた。ターゲットは近いはずだ。 |
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金ヶ崎隧道。M19竣工の道路隧道であり、M16の鐘ヶ坂隧道と比べてもたった3年しか遅れていない。おそらくこれまでの遠征で最古の道路隧道だろう。こちら側の扁額には、山県有朋による「吉祥洞」。福井県の命運を託された超大物道路隧道である。 残念ながら隧道の先は工場用地となっており通り抜けできない。引き返して現道を行く。
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こちらは現道の金ヶ崎隧道。S31竣工。バイパスは建設されたが、既に50年以上現役である。改めて見てみると現代の交通に通用する広さをもっていることがわかる。 この隧道のポイントは、両坑口の扁額の文面が旧隧道のそれを踏襲している点である。旧金ヶ崎隧道がいかにリスペクトされているかよくわかる事象だ。
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続く鞠山隧道を抜けると敦賀湾が見えた。ここで朝食休憩をとり、11:25に出発。先を急ごう。 |
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赤崎から先、R8は海岸線に沿って進む。写真の右から二番目の岬が黒崎で、阿曽隧道が貫いている。ここからもコンクリ製のシェードが見える。 |
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現道の黒崎隧道を抜けた先で振り返ると、ロックシェードの向こうに小さな穴が見えた。阿曽隧道だ。M9竣工といわれるが、現在の姿となったのはさすがにそれよりも後だろう。とはいえ歴史のある隧道であることに変わりはない。 |
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杉津集落には旧道が残る。ここまでほとんど現道を走ってきたので疲れた。旧道は気楽で良い。 |
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大比田の写真の交差点を左折してr204へ。直進すると旧R8が続いているが、こちらもr204である。旧R8はここから海岸線と別れ、内陸に向かう。いつか必ず走破することを誓い、今日は侵入しないことにした。 |
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海岸線沿いのr204は、河野海岸有料道路を無料化した区間だ。崖の上に旧R8と現R8がちらちら見えるので気になる。写真奥の斜面に見えているのは旧R8だ。 そうこうしているうちにr204は突然R305となった。こういう国道の端点は極めて珍しいが、どうやら無料化の際にR305とr204で分け合ったらしい。
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