33. 南房総 前編
2014年1月
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これまでに4回遠征した伊豆半島や、2回遠征した三浦半島と比べて手薄になっていた房総半島。いくつか理由はあるのだが、ようやく走る機会が訪れた。第5回以来、3年越しの房総半島を一気に走り抜ける。


今回のスタートは第5回ゴールの上総一ノ宮駅。現時刻は8:30。今日はここから房総半島の縁を時計回りに走る。日没までに、できれば上総湊まで辿り着きたいがどうだろうか。

R128を南下する。前方に見えるのは太東崎か。九十九里浜の端点だ。ここを境に海岸線の性格が大きく変わる。

江波土の交差点を左折し、旧道っぽい道を進む。

三門駅前で現道とクロスして旧道っぽい道は続く。何か証拠がないかと探していたところ、R465と合流した先にあった。写真はいすみ鉄道の房総街道踏切。いつ頃まで現道だったのだろうか。

大原の中心部を走り抜け、御宿町との市町境まで到達すると、今日初めてのトンネルがいきなり3連発で現れた。これからいくつのトンネルを潜ることになるのだろうか。
ここには右手に旧道があったようだ。

御宿の中心部を9:45に通過。サーファーがかなりいる。
御宿町と次の勝浦市の市町境には廃隧道がある。御宿隧道の手前から右手に伸びる写真の道が旧道なのだが、この先で完全に廃道になっているようなので深入りはしない。

御宿隧道を抜けると視界が開けた。この辺りまで来ると海岸線の様子は一宮辺りとは全く違う。いい雰囲気になってきた。伊豆の曽我浦あたりを思い出す。

部原からは旧道を進み、再びいくつも現れるトンネルを抜け、勝浦駅前に10:10到着。ここまで既に10本のトンネルを潜ってきた。S26竣工の部原隧道以外は完全に二車線とれるスペックのトンネルだ。
この先で串浜隧道を潜って現道に復帰。

松部隧道、鳥越隧道と潜った先にある瀬の谷隧道は写真の歩道隧道を通った。一本の車道トンネルに対して歩道隧道は二本に分かれており、それらの間に現道と隔離された空間がある。
R128のトンネルにはかなりの割合で歩道トンネルが整備されている。安全面からは良いことなのだが、地図上で旧隧道なのか歩道トンネルなのかの区別がつかないのは困る。

その先の向台隧道には旧隧道がある。竣工年不明、M36には既に存在していた古隧道だ。写真では見づらいが、いかにも房総という手掘り隧道だ。

数百mごとに次々と隧道が続く。写真は今日19本目の興津隧道。鴨川側から勝浦方面を見ている。天井のへこみが面白い。向台隧道のような四角い手掘り隧道を掘り下げて拡幅したことがよくわかる。

行合隧道を潜った先の浜行川隧道。部原隧道と同じくS26竣工。R128の他の隧道と比べてはっきり狭い。
R128の県道から国道への昇格はS28だ。部原と浜行川の両隧道は県道時代から存在したことになる。

上の写真の地点から右手をみると、旧行合隧道へと続く道があるはずだ。といっても茂みにしか見えない廃道である。旧行合隧道は房総には非常に珍しい完全石造覆工の明治隧道らしい。

浜行川の漁港。ここまで21本の隧道を潜ってきた。御宿以降コンスタントに隧道が現れる。

現時刻は10:55。空腹になったので、房総の秘境駅として有名な行川アイランド駅で休憩。この先のおせんころがし区間は今日のハイライトの一つのはずなので、腹が減って上の空ではもったいない。饅頭を補給して再び走り出した。

行川アイランド駅を発つとすぐにおせんころがしトンネルが待ち構える。トンネルの右手には旧道が、左手には旧々道が分岐している。旧々道は自分には突破不可能なので素直に旧道に進む。
写真はその先にある大沢第1隧道。T10竣工らしいが、間違いなくその後改修されている。R128の他の隧道と対比すると、おそらく旧道落ちしてから改修されたのだと思うが、どうだろう。もう一点、この隧道は有名な山形の廃道様の「全国隧道リスト」によると大沢二号隧道に対応しそうなんだよね。何で番号が変わったのか少し気になる。

二号と一号の間から大沢集落を眺める。本当に小さな集落の真ん中を外房線が走っている。当然駅はない。

二号に引き続き一号隧道を通り抜け、境川トンネルの前で現道を渡り左手を見ると、絶壁を横切る一筋の道が見えた。R128旧々道おせんころがしだ。T10に大沢隧道が竣工するまで現役だったはずだ。しばし見とれる。

前方も中々の絶景区間だ。落石注意の標識が何本も立っている。おそらく今回の遠征のうち最も爽快な旧道だった。
この旧道の途中で勝浦市から鴨川市へ。市境界を示すものはなかったように思う。

約1 kmで海岸線沿いの道は終わり。S14竣工の小湊隧道を潜って再び内陸へ戻る。写真は小湊側。よく見るとコンクリの中に石の坑門が残っているように見える。

小湊隧道は小さな峠のようになっている。一気に下って小湊の中心部に11:30に到着。昼食休憩をとり11:50に出発。ここまで3 hで47 km走ってきたので悪くないペースだろう。

天津の集落を抜け、鴨川市の中心部へ。シーワールドの前を走り抜ける。その先でR128旧道のr247へ。鴨川駅前を12:20に通過した。

r247にある八岡隧道。R128の旧隧道といえるだろう。S10竣工の古隧道で、扁額が右書きだ。小湊隧道とは異なり、この隧道は竣工当時の姿を保っていると思う。
ここはこの隧道を潜らず、さらに海側にある旧々道っぽい道を走ったのだが間違いだったかもしれない。走っていてちょっと違和感があった。S10までの旧々道はもしかしたら内陸側にあったのかも。

太海駅の先で現道に合流。一枚くらいおにぎりを載せよう。

鴨川市から南房総市へ。和田浦の先でR128は半島をショートカットして内房へ向かうが、自分はもう少し南下する。ちょうど海岸線沿いにサイクリングロードが現れたのでそちらを走った。すっかり海岸線が大人しくなった。

現時刻は13:35。まだまだ海岸線に沿って道は続いているが、ずるずると南に走ってしまうと帰れなくなる。自分もこのあたりでショートカットしよう。

地図のリンクは https://ridewithgps.com/routes/41369134

一宮から千倉まで5 hでちょうど80 km走ってきた。平均16 km/hなのでいいペースといえるだろう。
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