21. 三浦半島再訪
2012年12月
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今シーズンは冬も走ろうと思う。はっきり言って寒さは超苦手なので、なるべく暖かそうなところを選ぼう。まずは冬スタイルでの試走を兼ねて、第2回の三浦半島を再訪した。海岸線沿いを走った前回と異なり、今回は半島に多く存在する古隧道を繋ぐ。


第2回ゴールの逗子駅を12:00に出発。冬に遠征するのは初めてだ。天気予報によると今日の最高気温は10°Cを切っている。果たして耐えられるのか。

まずは逗子駅から南下して最近改修されたように見える桜山隧道を通過。R134に合流してさらに南へ。このあたりは第2回では走っていない。葉山大道の交差点を左折して三浦半島を東西に走るr27へ。滝の坂という小さな峠へ向かって上る。

写真はサミットに存在する滝の坂隧道を抜けた地点。滝の坂隧道は巨大なボックスカルパートのような変わったトンネルである。

12:50に衣笠駅前を通過。横須賀周辺は車が多く、走りにくい。

r27とr26の交差点を右折し、r26を三崎方面へ。ここからが本番だ。まずは写真の衣笠隧道と新衣笠隧道。衣笠隧道はT3竣工でS58に改修、新衣笠隧道はS17竣工だ。
三浦半島はこのように二本の隧道が並列するパターンが多い。交通量が多いためだろうか。通常であれば古い隧道を改修するか新隧道を堀り、後者の場合には旧隧道が残ることになるが、三浦半島の場合には既存の隧道を改修したうえでさらに新隧道を掘ることが多いように思う。先ほどの桜山隧道や衣笠隧道の先にある金子隧道もそうである。

金子隧道の先の交差点を左折し、通研道路へ。ちょっとした峠道になっていて、写真はそのサミットで撮影したものだ。

一気に下り、長沢のあたりで海岸線に出た。時刻は13:20。ここからは海岸線をなぞって東に向かう。第2回の道のりを逆走することになる。

野比を通過し、千駄ヶ崎隧道の旧道にあたる千駄隧道へ。T15竣工の古隧道だが完全に改修されてしまっていた。少し前までは内壁の煉瓦が見られたはずなんだけど。ここまでわざわざ南下してきたのはこの隧道を潜るためだったのだが残念。悔しいので写真もなし。代わりに左の写真は久里浜の開国橋からの眺め。第2回と同様に橋の袂のコンビニで休憩した。

コンビニを出発すると、久里浜と房総半島の金谷を結ぶフェリーが見えた。いつか房総半島も走ってみたいものだ。その際にこのフェリーに乗るのも面白いかもしれない。
その後、川間隧道の旧道にあたる長瀬隧道へ向かったが、この隧道も竣工時の面影はないように思われた。横須賀市は裕福なのか、隧道の改修が行き届きすぎていて困る。

浦賀の駅前を14:05に通過して観音崎に向かう。野比から県道を走ってきたが、r212、r210、r208と番号が変わった。気分的にはここまで一本道なのだが。浦賀からはr209だ。
観音崎の海岸沿いの遊歩道にあるのがこの素掘り隧道だ。桁違いに古い嘉永五年竣工だが、この隧道にはあまり惹かれないな。

遊歩道を進む。崖の上に観音崎灯台が見える。石畳は走りにくいが我慢して突破した。

県道に合流したが、すこし戻って鴨居隧道を見に行った。S9竣工で、コンクリートブロック積みのお洒落な隧道だ。ようやく良い雰囲気の隧道に巡り合えた。満足して走り出した。

走水でr209からR16へ昇格。境界には管理者が県から国へ変わることがわざわざ表示されている。その先の小さな峠から横須賀方面を望んだのが左の写真だ。前方に見える尾根のすぐ先に次のターゲットがある。

走水第二隧道。M15竣工の非常に古い隧道であり、旧R16だ。現在もr209に指定されている。コンクリで補強されてはいるが、最低限なので許せる。
一見、なぜここにわざわざ隧道を掘ったのか不思議に思うが、実は馬堀一帯は埋め立て地であり、当時はここを通すしかなかったのだ。

走水第一隧道。こちらはM16竣工だ。この2隧道のルーツはM9に掘られた水路隧道にあるらしい。三浦半島の誇る近代化遺産である。

走水第一隧道を抜けたすぐ先にある白看。この道が旧国道であることの何よりの証拠だ。

R16現道に合流して進む。横須賀市役所前を15:15に通過。時間が無くなってきたので内陸の隧道はあきらめよう。汐入駅を通過すると横須賀の誇る隧道連発地帯。写真は逸見隧道と新逸見隧道。逸見隧道はS3竣工、新逸見隧道はM24竣工の吉倉隧道をS19に改修したものである。この時代にしては超高規格であり、三浦半島がいかに重要と考えられていたかがわかる。

S18竣工、新長浦隧道。この隧道は潜らず、右折して回り道しよう。

S20竣工の比与宇隧道を通過。その先には軌道が残っている。比与宇隧道は軍用軌道を通すために造られた隧道だったらしい。

田浦駅の裏を通過し、船越隧道の直前でR16に復帰。うまく見えないが、写真は親子3代の船越隧道。一番右の旧田浦隧道が強烈な存在感を放っている。

船越隧道の先で右折し、追浜地区に残る古い隧道をいくつか走った。全てを走破することはできなかったので、また来よう。
写真は梅田隧道。M20竣工だがこの隧道も他の大多数の小隧道と同様に改修済である。

追浜駅前で再びR16に合流し、ちょうど16:00にゴールの金沢八景駅に到着した。

地図のリンクは https://ridewithgps.com/routes/41310914

今日の総走行距離は51.9 km、獲得標高は491 m。4 h走ったが道草を食いまくったので、走行距離はこんなもんだろう。十分に冬チャリのシミュレーションとなったと思う。5°C以上であれば問題なく走れそうだ。次回はもう少し長い距離を走ることになるだろう。
また、今日は20本近くの隧道を潜った。改修されたものが多かったのは残念だが、隧道ツアーとしても上出来だ。
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