11. 上高地 前編
2011年9月
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遂に今年のスペシャルプロジェクトがやってきた。高山から松本までR158をぶっちぎる。さらにマイカー規制により自家用車で侵入できない上高地に、マイチャリで少しお邪魔しよう。これまでの遠征で走った経路とは全く絡まないが、そんなの関係ねー。今回は特別だ。
高山と松本の間には、ご存知北アルプスが立ちはだかる。高山から長々と上り、さらに平湯峠と安房峠の二峠を越えねばならない。思えば第9回の道志みちはこの遠征のシミュレーションでもあった。しかし今回の道のりは道志みちより険しく、はるかに高い。エスケープルートがないのも大きな違いだ。上り始めたら越えきるしかない。日没覚悟で体力の限界に挑んだ記録を、前中後編の3篇でお送りする。


天候が心配だったが、曇りで踏みとどまっている。景色が望めないとがっかりだが、何とかスタートはできそうだ。
高山の宿を7:30に出発。松本駅到着のタイムリミットは20:00である。松本まで走りきるだけなら時間的に余裕があるが、いくつか寄り道する予定なのでどうだろう。

まずは標高1684 m平湯峠まで上り続ける。高山の標高は約550 mなのでいきなり1100 m程度上ることになる。ここまででどのくらい時間を使うかによってその後の予定が大きく影響されるので、きびきびと上らねばならない。
高山市内のR158とR361の分岐。R361からは野麦峠を経由して松本に行ける。今日は左のR158だ。
今日は予想よりもだいぶ寒い。道沿いの気温計によると10℃である。もう少し暖かくなってくれることを祈りながら進む。

8:05、丹生川の中心部の交差点。ここでR158は右折し、平湯峠への長い上りが始まる。見づらいが、青看は松本88 km、平湯28 km。

旧丹生川村のエリアを進んでいると、急に晴れてきた。テンションが上がる。ここからは前向きな気分で走れそうだ。

前方に高い山が見えてきた。あの高さまで上るのだろうか。
ずっと緩い上りが続いている。第7回の奥多摩への上りを思い出しながら走る。

20 km走ったあたりから、急に勾配がきつくなった。脚力を使い切らないようにセーブしながら漕ぐ。9:30に赤かぶの里というドライブインで長めの休憩。
ここまで、高山から24 km走り、500 m上った。さらにここから6 kmで600 m上る。

10:15に新道の平湯トンネルと旧道の平湯峠の分岐に到着。標高は1450 m。八割方上ったことになる。上りもあと少しだ。
旧道は乗鞍へのアプローチとして生きており、r5に指定されている。ここは当然旧道を選択する。

旧道はずっと10%程度の斜度が続く。乗鞍を目指す観光バスにちょくちょく抜かれる。乗客にガン見されるので、バスに抜かれるときだけ見栄を張って真面目に漕ぐ。

平湯峠道のヘアピンカーブ。周囲の木々の様子が変わってきた。標高は1600 mに達している。
このあたりで少し雨が降ってきて焦ったが、本降りにはならなそう。雨で走れなくなると本当に困る。

平湯峠が見えてきた。めちゃくちゃ嬉しい。このペースであれば、今日の予定をそれなりにこなせそうなので安心する。

10:45に平湯峠に到着。標高1684 m。当然これまでに到達した最高地点だ。
高山からここまで30 km走り、1100 m以上上ってきた。

あまりに嬉しくてカメラを落としてしまう。それ以来カメラが不調だ。

平湯峠から高山方面の眺め。高山ははるか彼方だろう。

平湯峠はS53までR158の現道であった。峠の青看が、この道が只者でないことを物語る。

峠から乗鞍スカイラインが分岐している。
日本の車道最高地点である標高2715 mを経由して長野側のR158に抜けることができる凄まじい道路だ。ここからさらに1000 m上るとか考えられない。
規制により自家用車は入れないので、自分の足で走るなら自転車か徒歩ということになる。いつか行ってみたくもあるが、車がないのとピストンは嫌なのでコースの設定が難しい。

名残惜しいがそろそろ下ってゆこう。眼下に見える平湯温泉スキー場まで滑るように下る。写真は一枚もなし。

安房峠道路の平湯ICまで下ってきた。次のステージの安房峠をパスできる有料道路である。この道路ができたおかげで安房峠に観光バスが押し寄せることもなくなったし、冬に高山と松本を行き来することもできるようになった。
しかし、好む好まざるにかかわらず、自転車は安房峠を越えるしかない。自分は好んで峠に向かう。

平湯のバスターミナルに11:15に到着。早いが昼食休憩をとる。
自転車の遠征を重ねてきて、エネルギー補給はうまくなったと思う。食べることは重要だ。

地図のリンクは https://ridewithgps.com/routes/41303514

ここまで40 km弱走ってきた。
中編では安房峠を越えて上高地を目指す。
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