89. 渡良瀬川
2023年11月
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北関東の東側半分は、これまで自転車遠征の空白域となっていた。関東平野を跨ぐのが面倒な割に地味な印象があったためだが、今後は空白域を埋めていく。今回は、その足掛かりとなるコースを走ろう。


今日は第10回の前半のゴールだった柏の葉キャンパス駅から走り始める。現時刻は11時で、少し遅めの出発だが、そう長い距離は走らない予定なので問題ないだろう。

R16を少し走ったのちr7へ。野田方面に向かう。

利根運河を跨ぐ地点で柏市から野田市へ。記事にはしていないのだが、利根運河のサイクリングロードは過去に走ったことがある。このサイクリングロードがこの先走る利根サイに繋がってれば便利なのだが、現時点では未整備だ。今後に期待しよう。

11:45に利根サイの入口に到達。野田市内のr7はR16の抜け道にもなっているのか大型の交通量も多く、走りにくかった。

利根サイを北西に向かって走り始める。さすがの広大な景色の中、爽快に走る。
今日は北西に向かうので風向きが心配されたんだけれど、ほとんど無風と言っていい状態で何とかなりそうだ。今日の午前に寒冷前線が通過したのだが、通過直後だったのがよかったかも。

爽快なのだが、景色が全く変わらないのであっという間に飽きた。これは結構大変な道のりかもしれない。街中や峠道を走るときと比べて、目に入ってくる情報量が少なすぎる。

前方にうっすらと見えているのは芽吹大橋。単調なサイクリングロードを走っていると橋は重要なチェックポイントだが、橋の数も例えば多摩サイと比べるとはるかに少ない。

芽吹大橋はS33竣工で、千葉・茨城のr3の橋だ。この橋ができるまでは、R6とR4の間に利根川を渡る道路橋はなかったようで、とても不便だったとのことだ。

キロポストは500 mごとにしっかりと立っている。淡々と漕いで走行距離を増やしていく。

見えづらいが前方には、この遠征を足掛かりにして走ろうと思っている両毛の山並みを望める。右手には筑波山。こちらも今後走るチャンスがあるだろう。

下総利根川大橋を潜って進む。

海から120 kmの標識。今後、銚子方面に向かうこともあるだろうか。

境大橋を潜って進むと、左手に関宿城が見える。さらに進むと千葉県と茨城県の県境を示す表示が現れた。利根川の右岸に茨城県の領域があるとは意外だったのだが、これ、利根川の河道の変遷に伴うものだろうな。この先でも何回も目にすることになるが、治水のために河道を変えても、県境は動かさなかったという例が多いようだ。

茨城県には自転車の遠征では初上陸だ。すぐに手が届く位置にあったのに、89回の遠征で初めてなのは、走りたくなるような変わった道路が多くなさそうに見えるからだ。今後、この印象が変われば良いが。

さらに進むと、利根サイは自動的に江戸サイになる。利根川と江戸川の分流地点は公園になっているようだ。関宿城を望む写真の地点で引き返した。

利根サイを脱出し、r17境大橋を渡って茨城県へ。現時刻は13:10。

R354の旧道に見える道を走り、再び利根川の土手を目指す。写真では見づらいが、直進すると古河まで12 km、左折すると坂東まで11 km。初走行の茨城の地名が新鮮だ。

再びサイクリングロードへ。走行時は気づかなかったが、ここは利根川の東遷事業により人工的に開削された区間だ。帰宅後、色々と調べたのだが、関東平野の河道の変遷はかなり奥が深い。

現時刻は13:30。少し疲れたのでこの施設の脇で小休憩。

再びサイクリングロードを進む。写真に見えているトラス橋梁はおそらく東北新幹線。

R4の利根川橋を渡る。この先のサイクリングロードは工事中で走れなかった。この先、当面は一般道を進む。左手のr228へ。

古河市の中心部に到達。初めて訪れたのだが、日光街道の宿場町かつ城下町で、この辺りではかなり大きな街だ。

R354三国橋で渡良瀬川を渡り、埼玉県へ。写真は下流側を眺めており、見えているのは新三国橋。三国橋は、栃木、群馬、埼玉、茨城のr9も重複している。このr9は、日本で唯一4県に跨る県道とのことだ。とても長い路線なわけでもなく、古河と佐野を結ぶ普通の県道だ。どうなっているのかはこの先で理解できる。

三国橋の三国とは、下総、下野、武蔵のことであり、それぞれ茨城県、栃木県、埼玉県だ。

ということで、茨城県古河市から埼玉県加須市へ。渡ったところに東武の新古河駅がある。県を跨いで新を付けるのは珍しいと思う。この辺りにおける古河市の影響力の強さだろうかとも思ったが、この辺りは古くは許我の渡りと呼ばれ、両岸とも古河と呼ばれていたようだ。

三国橋を渡った先を右折し、渡良瀬川にそって進む。渡良瀬川は谷中湖のエリアとなっている。渡良瀬川については、はるか上流側を第16回でひた走ったことを思い出す。11年前だ。ここは、第16回で走ったエリアの負の遺産だ。

谷中湖岸もサイクリングロードとなっている。広大な遊水池を右手に、サイクリングロードを走る。

埼玉県から栃木県へ。ここから先は県境が錯綜するエリアだ。

すぐに栃木県から群馬県へ。

続いてすぐに群馬県から再び埼玉県へ。渡良瀬川の旧河道にそって県境が付けられていて、河道が変わったときに合わせて県境を変えなかったためこのようなことになったようだ。端折っても良さそうなのだが、律儀に県境を示してくる。

埼玉県から再び群馬県へ。並行して走るr9も同様に県境を跨いでいるので、ここにしかない4県を跨ぐ県道となっている。

これが最後の県境跨ぎ。群馬県から栃木県へ。三国橋から6回県境を跨いだことになる。今日は5県走っているので、一回の遠征で走行した都道府県の数も最高記録のような気がする。

渡良瀬川の対岸の住宅地が徐々に近くなってきた。もう少しで普通の川に戻りそうだ。

現時刻は15:20。藤岡大橋で渡良瀬川を渡る。

すっかり普通の道になったr9を進む。

16時に佐野駅に到達。輪行して帰宅した。

地図のリンクは https://ridewithgps.com/routes/44930083

今日の総走行距離は70.8 km。5時間走ったのでとても良いペースだが、サイクリングロード主体だったのでこんなものだろうか。心配されていた逆風も吹かず、よいコンディションで走ることができた。今回のコースは本当に楽しいのはこの先だが、それは今後にとっておこう。

また、今日は半年ぶりのKHS F-20Sだったんだけど、DAHON K3と比べるとやっぱり走りやすい。
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