60. 伊賀街道 前編
2017年4月
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今年度の一本目として、昨年度何度も走った京都から名古屋に帰ってくるようなコースを考えた。上りはきつくないが、距離は長い。明治時代に建造された大物隧道を巡りつつ、どこまで帰ってこれるだろうか。


今日は7:00に京都駅八条口を出発。名古屋からだと京都はかなり早い時間にスタートできるので助かる。

第55回と同様に、高倉跨線橋でJR線を跨いで京都駅の北側へ。S29竣工。

塩小路橋を渡り、三十三間堂の脇を通過し、東大路通を北上して写真の馬町交差点に到達。コンビニで補給して、写真左手のr116へ。

r116を上り、現R1に合流するとすぐに東山隧道に到達。S42竣工の立派な複線隧道だ。そして左手に小さな穴が見えている。
ここは小さな峠になっている。名前は渋谷越が正解だろう。

小さな穴に向かう。

花山洞。正式名称は渋谷隧道かもしれない。M36竣工、煉瓦造りの古隧道だ。扁額は「方机通門」か? 自信はない。
この隧道、R1の旧道と思っていたんだけれど、それは間違いらしい。東山隧道の竣工前のR1は三条通だったようだ。東海道の終点が三条大橋であることを考えれば、それが自然だ。
けれど、この隧道が大物であることは間違いない。r116は渋谷街道と呼ばれる重要な道だったようだ。

中途半端な改修で有名な、山科側の坑口を後にする。こちらの扁額は、「花山洞」。いかにも京都のトンネルだ。

渋谷越を下る。旧道っぽい道があったのでなるべくそちらを走った。

山科の町中もr116渋谷街道を東に進む。R1現道を越えるとr35伏見街道(大津街道)に合流。伏見街道は、東海道から別れて京都の市街地を経由せずに大阪に向かう道だ。
写真はその追分。歴史的な追分なので説明書きや道標など充実しているが、京都-滋賀の県境を跨ぐことが分かりやすく示されているのが特に目を引いた。

ここから先は旧東海道であり、旧R1だろう。府県境を跨ぎ、滋賀県へ。
京都と滋賀の府県境は、これから向かう大谷越にあるものと思っていたのだが、そうではなくかなり京都側に張り出している。

現R1に合流。左手には京阪。さらに左手には名神高速が走っているが、これは東海道本線の旧線跡を利用しているようだ。交通量が多く走りにくい道を上ってゆく。
青看には、四日市92 km。ずっとR1を走ると問題なく到達できるんだろうけど、これからかなり寄り道をする予定なのでどうだろうか。

左手に京阪の逢坂山隧道が見えた。外見からは想像できないが、T1竣工の大物だ。上の古めかしい欄干に守られた道は旧R1。京都-大津間の東海道は日本の中枢のすぐ近くにある急所であり、他の峠とは次元が違う。

大谷越を越え、一気に下る。立派だが結構年代物に見える二本の橋梁を潜る。名神高速の橋梁だが、この区間は日本で最初に開通した高速道路であり、我が国で最も古い高速道路橋の一つといえる。

次々と見所が現れるので気が抜けない。少し下ると、路面にR161とR1のおにぎりが描かれていた。これ、結構珍しいと思う。

さて、ここに来たからには超大物を拝んでゆこう。R1から左手に入ると、格の違いを感じさせる重厚な石造トンネルがある。
旧東海道本線、逢坂山隧道。M13竣工。日本人の設計による、最初の近代的な山岳隧道だ。これまでの遠征で古隧道から現代のトンネルまで、無数のトンネルを潜ってきたが、ここが元祖ということもできる。扁額は、三条実美による「楽成頼功」。柳ヶ瀬隧道の扁額は伊藤博文の書だったが、このレベルの隧道になると扁額の揮毫者も格が違う。
敬意をもって保存されていることに、感謝したい。

懐かしい大津の町並みを見おろしながら一気に走り、石山からはR422へ。現時刻は8:35。日本三名橋にも挙げられることがある瀬田の唐橋から下流側を望む。

瀬田川に沿って快適に下ってゆく。

瀬田川洗堰を渡って左岸へ。M38竣工の南郷洗堰が一部残されているようだが、残念ながら見落とした。

瀬田川左岸のr29を南下する。今日は天気もよく、素晴らしいコンディションだ。

r29は関津集落で瀬田川を離れ、上り坂に。

集落を抜けると、関津峠に到達。標高135 mの小さな峠だ。

峠から一気に下り、9:25に再びr422に合流。青看を見ると、伊賀も甲賀も38 km。ステージが変わったことを意識した。

R422のこの区間はほとんど完璧に改良されている。なるべく旧道を見つけて進む。

錆びついた標識を発見。自信はないが、「待避所」だろうか。旧道には県道時代に建設された橋があり、S13竣工であることが標柱に書かれている。この区間の国道指定はS57だが、かなり歴史のある県道である。

旧道にはこのように廃道寸前の箇所もある。

現時刻は10:15。前方にT字路が見えた。右手はR307で裏白峠に向かう。左手はR307と重複して信楽へ。今日はまだ時間に余裕があるし、右折して少し寄り道しよう。

地図のリンクは https://ridewithgps.com/routes/41437918

ここまで、3 hで37 km走ってきた。悪くないペースなので、この先も頑張ろう。
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