19. 一ノ倉沢
2012年8月
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日本で一番有名かもしれない、行き止まり国道の行き止まり地点である一ノ倉沢。その先も延々と道が続いていることは無論わかっているのだが、今の私にはここが終点だ。そして山好きの方には申し訳ないのだが、登山家にとっての一ノ倉沢の意味を今回の遠征まで私は知らなかった。道路好きにとっても山好きにとっても間違いなく聖地の一つだろう一ノ倉沢を、珍しくピストンのコースで見に行ってこよう。


前回ゴールの上毛高原駅を10:20にスタート。前回とうってかわって今日は快晴だ。今日はここからR291の車両通行止地点である一ノ倉沢まで走り、再びここまで戻ってくる。おそらくそう長い時間はかからないだろう。

前回のコースを逆走して、まずは月夜野橋を渡った。今回は左折して上流に向かう。

月夜野橋から利根川上流を望む。

R291清水街道の旧道と思われるr61を走る。上牧駅を10:45に通過。その先で谷川岳18 kmの青看を発見。まさに今日の目的地までの距離である。

川上の交差点からはR291を進む。対岸に水上温泉街が見える。11:00に通過。ここまでは非常に緩やかな上り坂であり走りやすい。写真は湯檜曽駅の少し手前。

湯檜曽駅を11:25に通過。その先にあるのが上越線のループだ。上下段のラインがはっきりとわかる。

さらに進んで11:45に土合駅を通過。いつの日か一ノ倉沢の先を走ることがあるならば、ここがスタート地点となるはずだ。

土合駅のすぐ先の踏切から左を見ると、上越線上り線の清水隧道が見える。単なる鉄道トンネルに見えるが、S6竣工の10 km近い長大トンネルだ。
今回は珍しく鉄分多めだが、清水街道を語る上で上越線は外せないので仕方ない。

清水隧道の先のつづら折れを上ると、谷川岳ロープウェイが見えてくる。夏季はこのすぐ先で一般車両通行止め。幸い自転車はその先の通行が許されている。

通行止めのゲート。自動車用の標識だらけである。

林の中を進むR291。旧国道のような良い雰囲気。観光客や登山客が数多く歩いているので気を付けて進む。

格の高い車道であることを主張する警戒標識。

12:15にマチガ沢に到着。国道離れした風景だが、今進んでいるのは間違いなくR291現道である。

マチガ沢の先にある石垣。相当古そうに見える。もしかしたら明治道の置き土産かもしれない。

一ノ倉沢の岩壁が見えてきた。8月下旬であるにもかかわらず、雪渓がはっきりと見える。
残念ながら車両通行止の標識が立ちふさがった。自動車にとってはここが終点であり、私にとっては今日の遠征の目的地である。

ここがこれまで数百人もの命を奪ってきた魔の山であることは帰ってきてから知った。同時にこの道は明治時代の一時期、間違いなく東京と新潟を結ぶ幹線であった伝説の国道である。やはりここは日本一有名な国道行き止まり地点だろう。

一ノ倉沢から先、少しだけ徒歩で進んで引き返した。ここから先こそが清水国道と敬意をもって呼ばれる領域だろう。しかしこの先は、早朝から時間制限なく清水峠だけを踏破する条件で、さらに体力と天候全てが整っていないと進むわけにはいかない。

再び一ノ倉沢に戻ってきた。観光客と登山客が多く、自転車は居心地が悪い。ここは大多数の人間にとって谷川岳の象徴であり、清水峠の入口であるというのはマイノリティーなのだ。
岩壁を見ながら長めの休憩をとり、12:50に一ノ倉沢を出発した。ここを再訪することはあるのだろうか。

名残惜しいが一気に下る。ロープウェー乗り場を通過。

大穴のr63の分岐点に到達した。当初の予定では、時間があれば少しr63にも侵入しようかと考えていたが、一ノ倉沢でお腹いっぱいなので今日はパス。いつか坤六峠や鳩待峠とセットでここを走ることがあるかもしれない。

帰りは水上温泉街を通り抜けた。写真は水上駅。13:30に通過した。もしかしたら一本早い新幹線に乗れるかもしれないと思い、急いで走り出した。

川上交差点から先、行きはr61を通ったが、帰りはR291を走ろう。上毛高原駅に至る最後のアプローチがR291の方が容易なはずだ。また、なるべく行きとは違う道を走りたい。

r61と比べてR291は細かいアップダウンが多い。第15回の最後を思い出しながら、根性で走り抜けた。

14:05に上毛高原駅に到着。水上から約30分で走り抜けた。急いで自転車をたたんで新幹線に乗り込む。Maxは自転車の置き場が多くて好きだ。椅子の後ろのスペースが単純計算で普通の新幹線の3倍もある。

地図のリンクは https://ridewithgps.com/routes/41307765

今日の総走行距離は51.8 km、獲得標高は700 m。走行時間は3 h45 min。ここ数回と比べてはるかに軽いサイクリングだったが、印象深い遠征となった。自転車を連れて行くかどうかは別として、いつか必ず清水国道へ挑もうと思う。
次回は北関東シリーズの締めくくりとして、あの有名な峠を越えたい。三国峠、清水峠とくるとあそこしかないよね。
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