46. 乗鞍 前編
2015年7月
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自転車の遠征を始めて5年、遂に最高峰に挑むときがやってきた。乗鞍畳平標高2716m(正確にはその近くだが)、現在の日本において一般車両が走行できる道路の最高地点である。しかしご存知の通り、その一般車両とは自転車に限られる。自転車乗りにとっての聖地であると同時に、最難関のヒルクライムコースでもある乗鞍に、万全の態勢で挑む。


第11回以来、4年ぶりの高山だ。
あのとき平湯峠に立ち、絶望的な高みに感じた乗鞍に挑むときがやってきた。当時と比べて経験値は増えたけれど、体力・筋力はそう変わってないように思う。従って、時間はいくらあっても多すぎることはない。前日の夜に高山に移動し、宿を5:00に出発するという、かつてなく気合の入った体制で臨んだ。

まずは平湯をめざし東進する。第11回ではR158をトレースしたが、同じ道を走ると飽きるので、なるべく異なる道を進む。高山市内を北上し、写真のr458へ。今日最初の上りを軽快に上ってゆく。

ピークを越えて少し下り、r89へ。旧丹生川村のエリアを進む。はるか前方に高い山が見える。走行時は意識していなかったが、乗鞍岳だ。流石に乗鞍スカイラインは見えない。今日はこの嶺の頂上付近まで上ることになる。

町方交差点に5:40に到達。第11回の道のり、つまりR158は右手から来て奥に進む。今日は手前から来て左へ。

町方から少し進み、r459へ。岐阜県には酷い県道が多いと思う。ここもヘキサが立っていなければ県道とは認識できない。事実、隣の農道をr459と勘違いして走ってしまった。

r459を進む。自転車で走行する分には大変良い道だ。右手にはR158が見える。

笠根橋でR158に合流。朝食休憩をとり、6:15に出発。

日影・日面の旧道。いつも通り、なるべく旧道を進む。

見覚えのある特徴的な線形の警戒標識が現れた。平湯峠に向け、この辺りから本格的な上りとなる。

ドライブイン赤かぶの里に7:10に到着。第11回ではパンを買って休憩した憶えがあるが、今回は開店前だった。ここのパンはおいしかっただけに残念。

ほおの木平スキー場を通過。その先で旧道が分岐したので、突っ込むことにする。

意外と行けそうな雰囲気。在りし日のR158を味わう。

しかし徐々に旧道は荒れてきて、写真のような有様となった。気合で突破した。今日は裸足にサンダルだしかなり嫌だ。

何とか、廃道同然の旧道を脱出できた。現道をクロスして旧道は続く。
見覚えのある青看が立っている。乗鞍に向かうr5の分岐だ。こちらもR158の旧道である。

第11回ではr5を上り平湯峠に到達した。同じ道を上るとつまらないし、かなりきつい上りだったので今回は反対側から上ることにする。
まずは平湯トンネルを潜る。S53竣工。全長は2430 mもあり、チェーンのせいか路面が荒れているので自転車にとっては厳しい。それにもかかわらず、トンネル内で数多くの自転車とすれ違って驚いた。意外とみんな平湯峠には上らないんだな。

平湯トンネルを抜けると絶景が待っていた。一枚の写真には納まりきらないが、右下に平湯の温泉街が見える。その上には安房峠道も見える。左奥に見えるのは笠ヶ岳。

平湯のバスターミナルまで下ってきた。平湯トンネルからここまで下ってしまうと間違いなくロスだが、ここから先の長い上りの前に一息入れたかったので正解と思う。
8:35にターミナルを出発。普段の遠征であれば走り始めの時刻に既に平湯まで辿り着いているのは正直うれしい。5時に出発しただけあって、今日はまだまだ時間がある。

バスターミナルまで下ってしまったことを一応後悔しながら上り返し、r485の入口にやってきた。ここからが今日の本番といえる。

平湯峠の平湯側は、高山側よりもさらにきつい勾配の箇所が存在する。残念ながらそこは自転車を押した。同じR158の安房峠と比べると平湯峠はかなり急勾配だ。平湯峠の方が、古い道をそのまま使っているということだろうか。

見覚えのある直線路。もう少しで峠だ。

9:35に平湯峠に到達。写真に裏側が写る青看は、平湯峠がR158だったことを証明する重要な役割を果たしていたのだが、今回残念な形で修正されてしまっていた。
平湯峠の標高は1684 m。高山から1100 m標高を上げたことになる。ここから先、同じだけ上れば畳平に到達できる。第11回ではここで既に達成感があったが、今日はやる気に満ち溢れている。

地図のリンクは https://ridewithgps.com/routes/41396828

高山から42 kmの道のりを4 h半かけて走り、ようやくスターティングポイントに立った。
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