犬越路を走った後に色々と調べていると、丹沢湖の近くにトンネルが連発する林道があるということを知った。ネットに上げられた走行記を眺めているとどうしても行きたくなってしまったが、12月は忙しいし天候によっては山道は危険な季節だ。なので来年かなと思っていたのだが、ある日偶然に妻子・天候・気温の全条件が揃ったので急遽突撃することにした。短めだがトラブルあり見所ありの今回の遠征を前中後編でお送りする。
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第30回と同様に小田原からスタートして丹沢を目指す。同じ道を走ってもつまらないので、前回は山北経由だったが今回は松田経由で行こう。7:40に走り出した。 |
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R255飯泉橋で酒匂川を渡る。はっきりと富士山が見える。前回の丹沢と異なり今日は快晴だ。 飯泉橋の歩道は地味に珍しい三弦トラス橋である。
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飯泉橋の東詰からはR255旧道のr711を走る。 |
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r711を進んで小田原市から大井町へ。交通量が少なく走りやすい。第30回では小田原から山北までで時間がかかってしまったが今日はその反省を生かせている。 上大井の辺りで現道に合流し、少し走って根岸の交差点から再びR255旧道と思われるr73へ。コンビニがあったので食料を買い込んだ。今日はこの先林道を走るので補給は重要である。
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現時刻は8:30。松田町との町境を跨いだ先の信号を右折した。ここからは今日の主役の一人であるr710神縄神山線を走る。写真では見づらいが小田急と並行している。R246の旧道のようにも思えるがどうだろうか。 |
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r710は高さ制限2.2 mの小さいガードを潜ってR246現道へ。そのすぐ先にある寄入口の交差点を左折して寄を目指す。 |
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左折するとすぐ、湯の沢の住宅地を上る。写真の坂はかなりきつかった。直線の上り坂はメンタルが厳しい。 |
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かなり上ってきた。はるか遠くに先ほどの住宅街を見下ろす。 |
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小田原ゴルフクラブの入口を過ぎると少し下り、寄に到着。現時刻は9:05。予想以上に大規模な集落で驚いた。まさか東京まで通勤している人はいないんだろうけど、小田原や秦野なら通えるのか。 |
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集落の中心部にある寄神社の大杉。かなりの迫力がある。 寄はS30に松田町と合併するまで一村を成していたらしい。
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集落を抜け、r710は中津川沿いを上る。雰囲気の良い道だ。正面の山の麓から再び山道となるはず。 |
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秦野峠林道の起点に到着した。ここから先、r710は古道の秦野峠道をなぞる。r76の犬越路と同じパターンだ。 右手の地図によると、ここから一つ目の峠まで6 km、二つ目の峠まで9 km、林道終点まで15 km。長すぎず短すぎずちょうど良い長さの峠道と思う。
少し休憩し、9:30に出発。いきなり激坂の狭路でこの先どうなるかと思ったが、厳しいのは最初だけだった。
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寄大橋を渡る。林道とは思えない立派な橋だ。 |
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そのすぐ先にゲートがある。脇をすり抜ける。ここから先は気を引き締めて進む。 |
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ゲート内は荒れておらず、高幅員で走りやすい。キロポストが完備されているのも好印象。帰宅後に調べて驚いたのだがH7竣工のかなり新しい林道らしい。しかも神奈川県唯一の広域基幹林道だ。この竣工年では林業は主たる開削理由にならないだろう。 これだけ立派な道が一般車両に解放されていないのは、さすがにもったいないと言わざるを得ない。グレーな自転車天国となってしまっている現状は不自然だ。
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前方にV字が見える。あそこが峠だろうか。 前回の丹沢から約1ヶ月経ち、紅葉は終わってしまったようだ。この先の道のりを考えると好都合だ。
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林道起点から4 km過ぎにある九十九折れ。この林道は起点付近を除くと勾配は厳しくなく、自転車で走りやすい道が続く。 |
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時折聞こえる作業音に若干怯えながら、10:20に峠に到着。古道の秦野峠は一つ隣の鞍部にあるので、ここは新秦野峠と呼ばれていることもあるようだ。標高は約750 m。峠から虫沢林道が分岐している。秦野峠道とは別ルートで寄に下ることができる。 5分弱休憩して再び走り出した。ここから先は山北町だ。
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新秦野峠からの下りの路面には落石が多いが、一車線分は取り除かれており問題なかった。9%勾配の標識が落石に巻き込まれている。 |
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約1.5 km下った後、二つ目のブッツェ峠を目指して再び上る。おそらく、この斜面のうち最も安全な高さに道をつけたかったのだろう。ぱっと見には少し不自然なルーティングである。 このエリアは秦野峠林道において最も落石が多かったので、色々と難しい区間なのかもしれない。
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ブッツェ峠の鞍部が見えてきた。 |
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10:40にブッツェ峠に到着。標高約780 m。写真ではわかりづらいが、峠から相模湾が見える。 |
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峠の先は北斜面を下る。空気が冷たく感じられたので警戒していたのだが、案の定路面が凍結していた。慎重に下ってゆく。次の山上りは春になってからだな。 田代沢を渡ると北斜面は終わり、日が差すようになった。しかし路面には落石が多く見られたので、かなり控えめな速度で下った。
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丹沢湖と富士山。素晴らしい眺望を独り占めだ。やはりこの林道、r710として一般開放すべきと思う。 |
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小菅沢を渡りさらに下るとゲートに到達。無事に突破でき一安心だ。 |
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r710とぶつかる地点に林道終点の標識が立っていた。写真は終点から秦野峠方面を振り返る。終点の標高は約330 mで、峠から450 m標高を下げた。 |