30. 犬越路 前編
2013年11月
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神奈川の誇る有名林道である犬越路。現在は自動車やバイクの侵入は不可能であるため自転車の天国である、と言っては本当はいけないのだが、そうであることに間違いはない。自転車にはかわいそうだったが、未舗装林道デビューを精一杯楽しんだ。


前回に引き続き、今回のスタートも小田原駅。少し遅めの9:15にスタートした。まずは山北を目指して北上する。

山北まではr74小田原山北線をトレースしたのだが、小田原を出発するといきなりなんじゃこりゃな険道だった。地図上でも嫌な予感はしていたのだが、激坂で丘を上りすぐに下る。周囲は平地だしこのルーティングはおかしいんだけど、自動車はどんどんこの道に入っていくので生活道路として根付いているようだ。現地では、昔の小田原は低湿地で平地に道を付けられなかったのか、この丘のピークから旧道が分岐しているのかとか色々考えたけど、よくわからなかった。
今のところの予想は、「元々あった県道が高速道路に食われた」なのだがどうだろう。このパターンはこれまでに見たことがない。

想定外の上り下りで肉体的に疲労したうえに、その先のr74は自動車が多く精神的にも疲れた。小田原の道路事情はあまりよくないようだ。
何とか10時に大雄山駅に到着。南足柄市の中心部なようだが、駅のレトロさと周囲の再開発のギャップが笑えるレベルに凄まじい。

r74はクランク状に曲がって足柄峠へ向かうr78と重複する。この峠もターゲットの一つだが、かなりの急坂という噂が気にかかる。また、おそらく大雄山までは輪行すべきだろう。
青看の交差点を右折。その先の小さな切通しを抜けると風景が一変し、丹沢の山並みが眼前に現れた。さらにコンビニで休憩。心身ともにリフレッシュして再び走り出した。

酒匂川を渡って山北町へ。さらに進むとR246とぶつかるが、そのまま直進して岸入口の交差点を左折。ここからは旧R246のr76を進む。
東名高速道路が見える。少し古さを感じさせるトラスがいい味を出している。

樋口橋でR246現道に合流するとすぐに安戸隧道が待ち受ける。T2竣工の古隧道だが、全面的に改修されている。左の新安戸隧道はS41竣工にしては大断面だが、ここが東名高速最後の開通区間であることと関係しているらしい。

衝撃的なことに、この辺りで地図をなくしてしまった。こういう日に限って両面印刷でコピーしていたので、ゴールまで地図無し確定である。その上、今日は携帯電話の電池がない。マップのアプリすら使えないのは極めて厳しい。10:45に地図の捜索をあきらめ、相当へこんだ状態で安戸隧道を後にした。

気を取り直して旧R246であるr76を進む。御殿場線が格の違いを見せつけてくれたり、写真のように東名が空を走っていたりと飽きさせない。ここは東西日本を結ぶ重要地点なのだ。
鞠子橋の手前で怪しげなr727が分岐。r76の旧道かもしれないのだが今日はパスしよう。

谷峨駅に11:05に到着。丹沢湖と犬越路の玄関口である。ネット上の自転車の報告ではここから走り出している例が多い。

谷峨駅のすぐ先で初代の東名高速を潜る。二枚上の新設区間に負けていない存在感だ。

清水橋交差点を右折し、r76本来の道のりへ。少し走って道の駅山北へ到着。ここに携帯電話の充電器が売っている、または丹沢方面の地図が置いてあることを期待したのだが、どちらもなかった。仕方がないので掲示板の地図をデジカメで撮影。はっきりいって使いづらいが、これが今日の生命線だ。
道の駅を11:30に出発。色々とトラブルがあるため、なかなかペースが上がらない。

神縄の集落から急な上り坂に。直感的に三保ダムの建設によって道路が完全に付け変ったのだろうと思ったが、そう思い込みすぎて色々と見落とした。ちなみに三保ダムはS44着工でS53竣工だ。地図を無くした影響も間違いなくある。この分岐もスルーして、神尾田隧道まで上ってしまった。
いつか玄倉に行くことがあればまとめて訪問したい。

神尾田隧道は潜らず引き返してr710へ。ここには旧道があるのだが、その道はr76の旧道でもあるらしい。その旧r710は写真の右手から上ってきて、ヘアピンカーブで左手の怪しい道を上っていたはずだ。現r710がぶった切っている。
あまり自信がなかったのでスマホに最後の力を振り絞らせてマップで確認し、旧道を上った。

チェーンを跨いで旧r710を行く。一面の落ち葉を踏みながら進む。

隧道が現れた。S25竣工、三神隧道。隧道の先に警察がいたのでビビったが、何と偶然に駅伝大会が行われており、その警備に当たっていたようだ。

三神隧道を抜けると眼前には丹沢湖。玄倉方面を望む。駅伝大会のせいでそこらじゅうに場違いな都会の高校生だらけである。写真に入らないようにするのに気を使う。ネットに上げられなくなるし。
ガス欠気味だったので三保ダムの堤体で高校生に混じっておにぎり休憩。12:15に出発。

丹沢湖に浮かぶ三保小中学校。強烈な立地である。ダム湖の底には旧三保村が沈む。

丹沢湖が再び川に戻ると駅伝コースからも外れたようで人気が少なくなった。快適に上ってゆく。写真は中川温泉の入口。丹沢の最奥集落といえるだろうか。12:25に通過。

次のチェックポイントである箒杉を目指して進む。
r76はここまでずっと二車線だったが、中川温泉を過ぎると遂に一車線区間が現れた。写真の地点はかなり狭い。

現道を走っていると新箒沢隧道という名の立派なトンネルが現れた。さすがにここには旧隧道があるだろうということで探したらあっけなく見つかった。写真の大滝橋の右前方に封鎖された坑門が見えている。かなり厳しい線形だ。

旧隧道は通り抜けできない。新トンネルを潜って振り返ると旧隧道が中々良い存在感を放っていた。ということでS11竣工、箒沢隧道。H10まで現役であったようだ。

箒杉を通り過ぎ、数km進むと西丹沢自然教室に到着。路線バスの終点だ。地図ではこの先も県道色で塗られているが、写真のように現地にはここから林道の標識がある。
この先はr76としては徒歩道のままで、白石林道として車道が整備されていると想像したのだがどうだろう。

少し走るとネット上でよく見たこの分岐に到達。現時刻は13:10。白石林道は直進。右折すると犬越路の峠道が始まる。正確にはここから東沢林道である。ちなみにr76は直進し、徒歩道の犬越路を越えている。
現地点の標高は約580 m。峠までの標高差は350 m程度だ。

13:10に犬越路を上り始めた。県道として開削したとしか思えない広幅員な道路だ。

最初のヘアピンカーブを曲がると有名なこのゲートが現れた。但し書きがなく一般車両通行止めということは、軽車両を含む全ての車両が通行止めということである。気を引き締めてゲートの脇をすり抜けた。

地図のリンクは https://ridewithgps.com/routes/41368930

ここまで約4 hでちょうど40 km走ってきた。はっきり言って遅すぎるが、残念ながらこの先もスピードアップは望めない。今日はのんびりな遠征になりそうだ。
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